金沢市冬期バリアフリー計画 3-2

3-2 冬期歩行者ネットワーク整備計画

1. 歩行者ネットワークの設定方針

歩行者ネットワークのイメージ図

歩行者ネットワークの設定にあたっては、歩行者数や歩行現況などから、整備の重要度や実現性に応じて、幹線、準幹線、住区内の3つのネットワークに階層化した。なお、重点整備地区内における駅、バス停、商業施設、業務施設、学校、病院等を結ぶ住民の歩行動線をもとに、歩行者ネットワークを設定した。

考え方

住区内で発生する歩行者を準幹線ネットワークで集約し、都心軸を背骨とする幹線ネットワークへ誘導する。

区分 設定方針
表 歩行者ネットワークの設定方針
幹線ネットワーク 金沢市の都心地区と副都心地区を結ぶ都心軸を歩行者ネットワークの背骨として位置づける。
幹線ネットワーク 行政が歩道除雪路線と位置づける路線及び、歩行者数の多い路線を準幹線ネットワークと位置づける。
住区内ネットワーク 住区内の細街路を面的に位置づける。
冬期歩行者ネットワークを示した地図

図 冬期歩行者ネットワーク

2. 歩行者ネットワークの対策主体と整備方針

幹線ネットワークは、主に行政が主体となって整備を行うが、幹線、準幹線、住区内ネットワークへとなるにしたがって、行政主体から市民主体へと移行する。

歩行者ネットワークの対策主体と整備方針の詳細
区分 設定の考え方 整備方針
幹線
ネットワーク
金沢市の都市構造から、都心地区と副都心地区を結ぶ都心軸を歩行者ネットワークの背骨として位置づける。
  • 都心軸は、歩行者数も多く、広幅員歩道、無散水消雪、アーケード等が整備済みの区間が多い。
  • 未整備箇所については、散水・無散水により無雪化を図る。
  • 乗降客数の多いバス停では、バリアフリー整備を行うだけでなく、冬期においても休憩場所となるような拠点バス停の設置を図る
準幹線
ネットワーク
基本的には、歩行者数の多い路線及び、行政で位置づける歩道除雪路線を準幹線ネットワークと位置づける。
都心軸へのアクセス性を高め、重点整備地区全体を網的にカバーするネットワークである。
  • 主要施設へのアクセス路線や、商店街に面している路線など、歩行者数が特に多い路線である場合は、散水・無散水などによる無雪化を進める。
  • それ以外の路線については、歩道除雪によりネットワークを確保する。
  • 歩道除雪は行政が主体となって行うが、コミュニティ道路的な路線は、住民協力路線とし、行政は沿道の商店街や企業に対し、除雪道具の貸与等の支援を行い、官民一体となった除雪活動を行う。
住区内
ネットワーク
準幹線ネットワークで囲まれた住区内の細街路を位置づける。歩行者通行量は路線によって異なるため、面的に位置づける。
  • 歩車道分離されていない道路で散水融雪が整備されている路線や、道路除雪路線に指定されている路線もあるが、住区内の細街路すべてをハード整備するには予算上(初期投資、維持管理費用)も、水源確保の上でも、難しいため、基本的には、市民が主体的に除雪活動を行う。
ポイント整備 ネットワークの不連続箇所及び、横断歩道部やバス停等、堆雪しやすい箇所を位置づける。
  • 整備済みの区間でも、堆雪しやすい箇所等については、ネットワークとしての整備効果を高めるためにも、連続性確保のためのポイント整備を行う。
  • 歩道関連:横断歩道部、横断歩道接続部、巻き込み部、側溝排水処理等
  • 施設関連:地下道出入口部、橋梁など
  • 交通関連:バス停、タクシー乗り場など
  • その他:安全上必要と思われる箇所
    (警告の視覚障害者誘導用ブロックなど)

3. 冬期歩行空間の整備メニュー

  • 歩行者ネットワーク路線では、基本的に歩行者利用率の高い広幅員歩道を優先的に整備を進め、整備済み路線やアーケードなどの既存施設と有機的に結合させ、無雪空間の拡大を図る。生活道路の除雪については、住民協力による除雪を基本とする。歩行者の集中する交差点、バス停等においては、局地的な融雪施設の整備を推進する。
  • 歩行者ネットワーク(幹線・準幹線)の整備では、歩道のバリアフリー化のための一般事項に加え、散水・無散水の防雪施設整備を行う。
  • 歩行者ネットワーク(住区内)の除雪については、歩車道分離されていない道路で散水融雪が整備されている路線や、金沢市の道路除雪路線に指定されている路線もあるが、基本的には住民協力による除雪を行う。
  • 交差点やバス停等のポイント整備を行う際は、防雪施設整備にあわせ、必要に応じて段差解消や滑りにくい舗装などの整備も行う。
  • 歩行者ネットワーク以外の路線でも、電線類地中化や舗装整備等に着手する場合は、一般事項を遵守することが、冬期のバリアフリーにおいても有効である。
表 冬期歩行空間の整備メニュー
区分 整備内容 小項目 ネットワーク整備 ネットワーク整備 ネットワーク整備 ポイント
施設整備
歩道等のバリアフリー整備
1. 歩道拡幅 なし 幹線 準幹線 住区内 整備
施設整備
歩道等のバリアフリー整備
2. 縦断勾配の低減 (5%以下) あり あり あり あり
施設整備
歩道等のバリアフリー整備
3. 横断勾配の低減 (1%以下) あり あり あり あり
施設整備
歩道等のバリアフリー整備
4. 街渠工 (勾配の低減) あり あり あり あり
施設整備
歩道等のバリアフリー整備
5. 段差解消 (2センチメートル以下) あり あり あり あり
施設整備
歩道等のバリアフリー整備
6. 塗装工 雨水浸透工法 あり あり あり あり
施設整備
歩道等のバリアフリー整備
6. 塗装工 滑りにくい舗装材 あり あり あり あり
施設整備
​​​​​​​歩道等のバリアフリー整備
7. 無散水消雪 地下水無散水 あり あり (注釈1) あり
施設整備
​​​​​​​歩道等のバリアフリー整備
(ロードヒーティング) 電熱線式 あり あり (注釈1) あり
施設整備
​​​​​​​歩道等のバリアフリー整備
(ロードヒーティング) ボイラー温水式 あり あり (注釈1) あり
施設整備
​​​​​​​歩道等のバリアフリー整備
(ロードヒーティング) ヒートパイプ あり あり (注釈1) あり
施設整備
施雪施設整備
8. 消雪パイプ 路面散水 あり あり (注釈1) あり
施設整備
施雪施設整備
8. 消雪パイプ 滲み出し あり あり (注釈1) あり
施設整備
​​​​​​​施雪施設整備
9. 沿道建築物

アーケード

あり あり なし なし
施設整備
​​​​​​​施雪施設整備
9. 沿道建築物 1階部壁面後 あり あり なし なし
施設整備
​​​​​​​施雪施設整備
9. 沿道建築物 雁木 あり あり なし なし
施設整備
​​​​​​​施雪施設整備
9. 沿道建築物 ​​​​​​​連続上屋 あり あり なし なし
施設整備
​​​​​​​施雪施設整備
10. 道路付属物 バス停 あり あり なし あり
施設整備
​​​​​​​施雪施設整備
11. その他 凍結抑制舗装 あり あり なし あり
施設整備
​​​​​​​施雪施設整備
11. その他 グレーチング改良 あり あり なし あり
施設整備
​​​​​​​施雪施設整備
11. その他 流雪溝 なし なし あり なし
歩道等の除雪 1. 歩道除雪 (行政主導) なし あり あり なし
歩道等の除雪 2. 住民協力 VSPの活用(注釈) なし あり あり なし
歩道等の除雪 2. 住民協力 小学校等との連携 なし なし あり なし
歩道等の除雪 2. 住民協力 市民一斉除雪デー なし なし あり なし
  • (注釈1)は、住民が主体となって整備を行うものである。その際、市の助成制度が活用できる場合もある。
  • (注釈2)VSP…ボランティア・サポート・プログラムの略

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