14年度第3回

介護保険の実施状況

14年度第3回 金沢市介護保険運営協議会 議事録要旨

  1. 会議の日時および場所
    1. 平成15年(2003年)2月14日(金曜日)
    2. 市役所7階全員協議会室
  2. 出席委員
    20人
  3. 議事内容

(1)「長寿安心プラン2003」についてワーキング開催経過

事業計画ワーキングチーム佐々木委員より説明

(ワーキング委員)
平成13年度第1回運営協議会において、第2期事業計画のためのワーキングチームの設置が決定され、今日まで30回の検討会を開催し、保険料や事業の方向性を討議してきた。この間、各種実態調査、ケアマネジャーとの意見交換、グループホーム視察などを実施してきた。また、市民フォーラムを開催し事業計画に対する市民の意見をうかがった。これらを基に議論を煮詰め、本日ここに「長寿安心プラン2003」を提案するに至った。

市民フォーラム等に寄せられた主な意見について

事業計画ワーキングチーム松原委員より説明

(ワーキング委員)
市民フォーラムの企画・運営は、ワーキング委員があたり、介護保険、高齢者の介護、福祉問題について市民の意見をうかがい、介護や福祉の問題点の把握に努めた。
現在の介護保険の一番大きい問題は、在宅介護がなかなか進まないということであり、24時間サービス体制、ショートステイの確保、利用料の支給限度額超え、ヘルパーの資質、住宅改修、介護家族などの問題に対する意見をいただいた。
施設整備については、整備促進と現状維持の双方の意見をいただいた。また、施設の規模やまちなかでの整備に対する意見もあった。
保険料については、今後の保険料の改定への不安、低所得者への配慮、公費財源の投入などの意見が寄せられた。
介護予防では、地域サロンの充実、痴呆予防、閉じこもりがちな高齢者を誘い出す仕掛けづくり、地域活動の指導者育成や活動資金助成などの要望を受けた。
その他、介護保険制度の広報の充実、地域の事業者との意見交換の場の確保などさまざまな意見が寄せられた。
市民フォーラムの開催により事業計画に盛り込むべき方策が明らかとなった。今後も市民フォーラムを中心に、市民の意見を吸い上げながら、介護保険事業を運営していくべきと考える。

「長寿安心プラン2003(案)」概要について

事業計画ワーキングチームチーフ吉田委員より説明

(ワーキング委員)
今回の見直しは、おおむねプラン2000を基本に、ワーキングでの検討や市民フォーラムなどから、在宅重視、計画的な施設整備、介護予防に重点をおき作業を進めた。
安心して在宅での生活が続けられるよう、サービスの質の向上、訪問系サービスの充実、24時間介護サービス提供体制の推進、ケアマネジャーの支援体制の整備、サービス事業者情報提供の充実を目指す。
施設サービスの整備では、入居が必要な方に対し計画的に施設整備を行うとともに、施設本来の機能が果たせるよう機能に応じた入居を推進する。
介護予防の推進では、外出がおっくうになり閉じこもりがちな高齢者のためにも身近な地域での健康づくりの推進、自主的な健康管理の支援体制の整備、痴呆の早期発見、早期予防の推進ということを掲げた。
「施策目標」についてもプラン2000の目標を継続し、8本の柱を立てたが現状に合わせ内容を調整した。
「市民と共に築く支援体制の整備」では、お年寄り介護相談センター・地域サロンの充実、あるいは地域での支え合いである高齢者地域ネットワークのさらなる推進が必要と考えた。
「介護予防の推進」では、健康管理のための支援、ヘルスアセスメント、地域活動の支援に加え、介護予防プランづくりを推進し、積極的な健康づくりにつなげたいと考えた。
今回のプランの主要課題である「サービス基盤の充実」では、24時間体制の検討、ケアマネジャーのサポート体制の整備、訪問系在宅サービスの連携強化、計画的な基盤整備、ひとり暮らし等の支援、低所得者対応等々についての検討をまとめた。
「サービスの質の向上」では、ケアマネジャー、介護職員に対し痴呆のある高齢者への対応や、ケアプラン作成などの研修を充実させるとともに、地位、労働環境、労働条件の向上を目指す。
「痴呆のある高齢者への支援」では、痴呆のある高齢者への対応事例集を作成するなど円滑なサービスの提供を目指す。また、痴呆の早期診断と早期対応を促進していくことも盛り込んだ。
「高齢者の社会参加の推進」では、フォーラム、介護保険運営協議会、公募委員の拡大に加え各種サービスに対する市民の評価活動の充実として、アンケート調査や聞き取り調査の実施するなど、市民主体の評価のあり方を検討することとした。
「高齢者・家族の人権尊重と権利保障システムの構築」については、サービスを受ける市民の権利を保障するため、市の相談体制の充実、市民参加による施策の展開、権利擁護制度の強化を挙げた。
「情報の保障」については、高齢者にわかりやすい情報提供のあり方などを検討し、サービスの選択の幅を増やすべきと考えた。

第2期(平成15~17年度)の介護保険料について

事務局より説明

(事務局)
第2期(15~17年度)の要介護認定者数は平均14,749人、第1期(平成12~14年度)と比べて39%の増となっている。高齢者人口に対する出現率は18.5%と見込まれる。第2期の保険給付費は、3年間で658億円となり第1期と比べて33%の増となる。
この給付をベースに保険料を試算すると第1号被保険者(65歳以上)の方の保険料は、15~17年度3年間で、3,930円(基準額)となる。平成12年度に制度が導入されてから、給付は右肩上がりでずっと伸びており、それに伴って保険料の水準も右肩上がりに伸び、14年10月には3,600円レベルのサービスとなっている。
「長寿安心プラン2003」の施設整備目標値は5年間のものであるが、17年度までの3年間では、特別養護老人ホームは1,692床、介護老人保健施設は現状維持、介護療養型医療施設は1,229床、グループホームは536床、ケアハウスは170床の整備を目標としている。

質疑応答

(委員)
保険給付費658億円の内訳で在宅、施設にかかるそれぞれの費用はどのくらいか。

(事務局)
在宅介護で253億円程度、施設で369億円、その他で36億円という内訳になっている。在宅サービスの代表的なものでは、訪問介護で54億円程度、通所介護で65億円程度となる。

(委員)
4月からの介護報酬の改定で、施設サービスの報酬が少し下がるようだが、保険料はこの介護報酬で試算された額か。

(事務局)
平成15年1月23日に、国では介護報酬の答申があり、今回の保険料はその報酬で積算している。旧報酬単価と比較すると全体で2.3%減、在宅で0.1%増、施設で4%減となり、報酬改定影響分は、40円程度である。

(委員)
第1号被保険者、65歳以上の保険料は3,930円とあるが、第2号被保険者ではどのくらいか。

(事務局)
第2号被保険者の保険料は、保険者によって計算方法が違うが、国の示した案では、3,040円程度となっている。

(委員)
在宅サービスがなかなか伸びず、利用者の施設志向がだんだん大きくなってきおり、今回の施策によって、本当に施設志向に歯止めがかかるものか心配だ。
都市の中心部は高齢化現象が進み、その上施設入所がふえると、まちなかの空洞化がさらに進むような気がする。この事業計画だけではなく、金沢市が今後、高齢者の問題を都市づくりにまで広げていかなければ歯止めがかからないのではないか。

(事務局)
本市においても都市化、核家族化が進み、中心市街地での高齢者化率は高くなっている。今後は各地域の福祉力の向上が課題となるため、「地域福祉計画」を策定することとしている。さらに、より小さなエリアで、地域が抱えている諸問題を地域の方々に真剣に考えていただけるような仕掛けをつくっていきたい。こうした取り組みは、すでに一部の地区で14年度から始めているが、15年度から本格的に進め、地域の資源、資産を生かしながら、地域の福祉力を高める体制づくりを進めていきたいと思っている。
介護保険制度については、国でもこの15年度から、抜本的な制度の見直しに取り組むこととしており、第2号被保険者の年齢を引き下げや医療と福祉、医療保険と介護保険との関係の見直しなどが検討されている。高齢者が増加する中、介護保険を取り巻く環境は非常に厳しく、制度の抜本的な見直しが必要である。本市としても、あらゆる機会をとらえ、介護保険が本来の保険としての機能を維持、継続できるように、国に要望していきたい。

(委員)
フォーラム等でも要望のあった特別養護老人ホームの整備目標数の説明が十分ではなかった。また、保険料に対する低所得者対策が今回のプランの中にも項目として盛り込まれているが、6段階の保険料区分についてはどこまで検討したのか。

(事務局)
特養の整備については、13年度の待機者調査の結果を分析し、重度な方、緊急性の高い方のためのサービスの確保を目指している。別の調査でも、家族、本人とも、9割程度は介護サービスを受けながら在宅で暮らしたいと希望している。こうした方の気持ちにこたえるためにもやはり在宅介護は大切と思う。
保険料の6段階制度は、第1段階、第2段階の低所得者の方を軽減できる高額所得者が必要である。本市の所得水準は、全国平均並みとはいえ、6段階制度を支えるだけの高額所得者がいないため、試算してみた結果、軽減の効果が期待できず採用を見送った。

(委員)
利用者の方は1割の利用料負担だが、残り9割の半分は国県市負担、もう半分は保険料の運用資金である。高齢者の増加やサービス利用量の増大などにより、今の財政では賄えない状況になりつつある。保険料の値上げには限度もあり、今後の制度の動向を見守りたい。

閉会

(奥会長)
本日の意見を含めてのプラン作成の調整を会長、副会長に一任いただき、市長に提言書として提出したいと思うがどうか。

(異議なし)

それではそのようにすることとし、結果を委員に報告する。
ワーキングチームの委員には、会議を重ね、プランをまとめあげていただき深く感謝する。

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