石綿Q&A
石綿(アスベスト)Q&A
質問1
石綿(アスベスト)とはどんなもの?
回答
石綿(アスベスト)とは、天然の繊維状の鉱物で、その繊維が極めて細いため、吸い込むことによる健康への影響が心配されています。石綿は熱に強く、摩擦に強く切れにくい、薬品にも強いなど丈夫で変化しにくいという特性があり、建設用資材として断熱材、保湿剤、吸湿剤、スレート材、防音材、又、自動車部品など広範囲に使用されています。
使用製品について、詳しくは経済産業省のホームページをご覧ください。
石綿の種類として代表的なものに
- 青石綿(角閃石系のクロシドライト)
- 茶石綿(角閃石系のアモサイト)
- 白石綿(蛇紋石系のクリソタイル)
があります。
このうち1.及び2.については平成7年に製造、輸入、使用等が禁止され、(3)については平成16年に製造、輸入、使用等が禁止されました。代替が難しいものについては、平成20年までに使用しないようにすることが定められています。
質問2
石綿は建築物ではどのように使われているの?
回答
石綿は安価であり、耐火性、断熱性、防音性、絶縁性など多様な機能を有していることから、耐火・断熱・防音の目的で建築材料として、建築物(ビル、学校・病院、工場、住宅など)や工作物(駐車場、プラットホーム、変電施設など)に大量に使用されてきました。石綿の使用形態を分けるとおよそ次のようになります。
- 吹き付け石綿
石綿とセメントを一定割合で水と混合し、吹き付け施工したもので、使用期間は昭和31年から昭和50年頃までです。飛散性が高いので、大気汚染防止法では、建築物解体時の飛散防止措置が定められています。 - 吹き付けロックウール
吹き付け石綿が昭和50年に原則禁止となった後、しばらくの間石綿を混ぜて使用されました。石綿が混ぜられた期間は昭和43年から55年頃までですが、一部の工法では昭和63年頃まで使用されていました。 - アスベスト保温材
保温材と耐火被覆板があり、保温材は各種プラントの配管などの保温のためにボルトや針金で固定して使用されました。
耐火被覆板は鉄骨材の耐火性能を確保するために使用されました。 - アスベスト成形板
代表的なものに石綿スレートがあります。防火性、耐火性に優れ、外壁、屋根など広く使用されています。
このほか、パルプセメント板、石綿セメントサイディングなどがあります。
切断したり、破壊したりしない限り飛散するおそれはありません。
質問3
建物に使われているかどうか知りたい。
回答
建物を施工した建築業者に問い合わせるか、設計図書類(設計施工図、材料表など)で確認してください。このような資料がない場合は、目視での確認、建築年次、建築材料などの用途などから類推します。
吹付け石綿の施工時期の目安は
- 吹付け石綿:昭和50年まで
- 石綿含有吹付けロックウール:昭和55年まで(湿式工法では昭和63年まで使用)
- その他の石綿含有吹付け材:昭和63年まで
となっています。
(注意)吹付けロックウール、その他の吹付け材については、一部平成7年まで1%を超える石綿含有材料が生産されていました。
主な石綿含有建築材の商品名と製造時期は
- 一般社団法人JATI協会のホームページ(旧「社団法人日本石綿協会」)
- ロックウール工業会のホームページ
- 一般社団法人石膏ボード工業会のホームページ
をご覧ください。
民間検査機関で検査を受け付けていますので、金沢市環境政策課(電話番号 076-220-2508)までお問い合わせください。
質問4
建物に吹き付け石綿が使われていた場合は
回答
吹き付け石綿が劣化等で飛散するおそれがある場合は、除去、封じ込め、囲い込みなどの措置を講ずることとされています。これらの措置を行う業者については、工務店や建築業者に問い合わせてください。
なお、この措置を行うには、
- 石綿作業主任者(石綿障害予防規則)
- および特別管理産業廃棄物管理責任者(環境省特別管理廃棄物のページ)
の資格を有している者を配置する必要があります。
このような措置を行う場合、状況によっては施工業者または発注者から関係官庁に届出をする必要があります。
詳しくは、下記の表をご覧ください。
(1)労働安全衛生法、石綿障害予防規則に関すること | 石川労働局労働基準部安全衛生課(電話番号 076-265−4424) 金沢労働基準監督署(電話番号 076-292−7935) |
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(2)大気汚染防止法に基づく特定粉じん排出等作業届出に関すること | 金沢市環境政策課(電話番号 076-220−2508) |
(3)廃石綿を含む廃棄物の処理に関すること | 金沢市ごみ減量推進課(電話番号 076-220−2528) |
(4)建築物の分別解体に関すること | 金沢市建築指導課(電話番号 076-220−2326) |
(注意)大気汚染防止法に基づく届出が必要です。
除去 | 吹き付け石綿を除去する工法 |
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封じ込め | 吹き付け石綿へ薬液、造膜剤を散布し、石綿層を固着・固形化し、石綿粉じんが飛散しないようにする工法 |
囲い込み | 吹き付け石綿はそのまま残し、板状の材料で表面を覆って粉じんが飛散しないようにする工法 |
質問5
一般の住宅でも石綿は使われていますか。
回答
一般の住宅でも、鉄骨や鉄筋の住宅、店舗併用住宅では、昭和30年から50年頃までに建てられた建築物に吹付け石綿が使われている可能性があります(A2. を参照してください。)。その他、保湿剤、屋根用化粧スレートやサイディング、外壁や間仕切り壁などの成型セメント板に石綿が使われたりしています。(平成16年10月製造禁止)。
成形セメント板は石綿をセメントで固定してあり、切断したり破壊したりしない限り問題はありません。しかし、除去する場合、破壊したりすれば石綿が飛散するおそれがありますので、粉じんが飛散しないよう、散水して充分湿らせ、手作業で取り除いてください。
質問6
6. 石綿による健康への影響が心配です。
回答
石綿が原因で発症する病気には肺繊維症(じん肺)、悪性中皮腫、肺がんが知られています。石綿による健康被害は石綿を吸ってから長い年月を経て発症します。
- 中皮腫については石綿暴露から発症までに20年~50年の潜伏期間があるといわれ、暴露の年齢が低いほど悪性化するといわれています。
- 石綿が原因となるじん肺は、石綿粉じんを10年以上吸引した労働者に起こるといわれ、潜伏期間10年~20年といわれています。
- 肺がんについては、石綿暴露から発症まで15年~40年の潜伏期間があるといわれ、発症には喫煙と深い関係があります。
石綿を吸い込んだ量と肺がんなどの発病との間には相関関係があるとされていますが、短期間に吸い込んだ場合の危険性は不明です。少量を吸い込んだ場合、通常は異物として、痰にまざって、体外に排出されます。しかし、深く大量に吸い込んで肺にまで達すると、長期間肺胞内に蓄積するといわれています。
健康への影響については、次の区分に従いお問い合わせください。
(1)現在咳や胸痛の症状がある場合 |
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(2)現在または過去に石綿関連の作業に従事されていた場合 | 金沢労働基準監督署(076-292-7933) 石川産業保健推進センター(076-265-3888)にお問い合わせください。 |
(3)現在または過去に石綿関連の作業に従事されていた方のご家族 | 咳や胸痛の症状がある場合 呼吸器系専門医に相談してください。 症状がない場合でも、定期的に自治体や職場の健康診断を受けてください。 |
(4)特に症状はないが、心配な場合 | 自治体や職場の定期健診を受けたり、かかりつけ医の診察を受けてください。 |
石綿障害の診察と治療については労働者健康福祉機構ホームページをご覧ください。
石綿疾患センターを設置した労災病院は全国で22病院あり、金沢から最も近いのは富山労災病院(富山県魚津市六郎丸992 電話番号 0765-24-6471[石綿疾患センター直通])です。
混み合うことが予想されますので、診察を受ける場合は必ず電話で(電話番番号 0765-24-6471)予約してください。
質問7
石綿を含む廃棄物にはどんなものがあるの?
回答
石綿を含む廃棄物には(1)飛散するおそれのある廃石綿等(2)非飛散性石綿廃棄物に分けられます。
(1)飛散するおそれのある廃石綿等とは
廃棄物処理法施行規則第1条の2第7項に定義されており、次に掲げるものをいいます。
- 建築物に用いられる材料で、石綿を吹き付けられたものを除去された石綿
- 建築物に用いられる材料であって、石綿を含むもののうち、除去された建材で次に掲げるもの
(1)石綿保温材、(2)けいそう土保温材、(3)パーライト保温材、(4)人の接触、気流及び振動等により(1)から(3)のものと同等以上に石綿が飛散するおそれのある保温材 - 石綿建材除去作業において用いられ、廃棄されたプラスチックシート、防じんマスク、作業衣その他の用具または器具であって、石綿が付着しているおそれのあるもの
となっています。
(注意)詳しくは一般社団法人JATI協会のホームページ(旧「社団法人日本石綿協会」)(飛散性石綿含有廃棄物の処理について)をご覧ください。
(2)非飛散性石綿廃棄物とは
石綿がセメント、けい酸カルシウム等と一体に成形された石綿成形板の廃棄物をいいます。
廃棄物処理法では「廃石綿等」となってはいませんが、石綿成形板の破壊または破断による石綿粉じんの発生のおそれがあります。そのため、廃棄物として適正な処理が行われるよう具体的処理手順が示されています。
質問8
石綿(アスベスト)を含む家庭用品の処理について
回答
石綿(アスベスト)を含む家庭用品とその処理については、金沢市環境局ごみ減量推進課(電話番号 076-220-2302)までお問い合わせください。
質問9
石綿について、さらに詳しく知りたいのですが?
回答
下記のホームページで詳しい資料をごらんください。
- 石川県環境政策課(石川県の石綿対策)
石綿(アスベスト)対策のしおり - 厚生労働省
(石綿(アスベスト)情報)
石綿(アスベスト)についてQ&A - 環境省
石綿問題に係る政府の対策について - 経済産業省
石綿(アスベスト)を含有する家庭用品の実態把握調査の結果について(平成17年9月12日発表) - 国土交通省
石綿問題への対応について - 東京都環境局
(石綿Q&A) - 労働者健康福祉機構ホームページ
- アスベストセンター
- 石綿による健康被害への対応について(厚生労働省発表平成17年7月8日)