調査隊からの質問Q&A

昆虫はかせの富沢先生がみなさんのギモンにお答えします!

質問

質問1 後半のほうがいろんな種類のぬけがらがあった。

回答

はかせの答え

夏に出るセミは、種類によって発生する時期が少しずつ違います。
最も早く出てくるのはニイニイゼミで、6月下旬からあらわれはじめます。ヒグラシは7月上旬から、アブラゼミは7月中旬から、ミンミンゼミは7月下旬から見られます。
ツクツクボウシは8月上旬、チッチゼミは最も遅く、8月中旬から発生します。
したがって、ぬけがらも7月よりも8月に入ってからのほうが、たくさんの種類が見つけられるわけです。
ただし、ぬけがらは雨や風によって飛ばされてしまうこともあるので、調査は2回以上おこなうことが望ましいです。

質問

質問2 朝は鳴いていなかったけど、夕方は鳴いていた。

回答

はかせの答え

セミが鳴く時間帯は、種類によって特徴があります。
アブラゼミは主に午後に鳴きますが、ミンミンゼミは午前中に鳴きます。なのでこの両種は鳴き分けているのではないかと言われています。
ニイニイゼミとツクツクボウシは一日中鳴きますが、日没前ごろに最もよく鳴きます。
ヒグラシは日の出前と日没後によく鳴きますが、暗ければ日中でも鳴きます。

質問

質問3 街路樹にぬけがらが少なかったのは、コンクリートやアスファルトで土が少ないからかな。

回答

はかせの答え

そのとおりです。セミは枯れ枝や樹皮に産卵するのですが、幼虫は落下して土にもぐるので、落ちた場所がコンクリートだともぐることはできません。
また運よく土の中で育つことができたとしても、羽化するときにコンクリートに遮られて、地表に出られず死んでしまうこともあります。

質問

質問4 しっかりくっついていて、なかなか取れなかった。(足がチクチクした。)

回答

はかせの答え

セミの幼虫は、前脚はもちろん、中脚や後脚も鋭くとがっているからです。
土の中を掘って進むときにも都合がいいですし、羽化するために木に登るときも鋭くとがった脚先で幹にしっかりつかまり、落下するのを防ぎます。
この鋭い脚で、ブロック塀などで羽化したぬけがらを見つけたと報告してくれた調査隊もありました。

質問

質問5 ぬけがらの背中が開いたところから、白い糸のようなものが出ていた。なんだろう。

回答

はかせの答え

ぬけがらの白い糸のようなものは、ぬけがらの内側のお腹や胸から伸びていたと思います。
セミの幼虫は、お腹側にある気門というところから空気を吸い、そこから体へ管状の細長い組織(気管)を通して呼吸をしています。白い糸は、気門から体に続いているこの気管の膜が、羽化の脱皮のときにそのまま残ったものです。
つまり、白い糸は気管のなごりで、この気管の膜もいっしょに脱皮したのです。

質問

質問6 鳥に食べられているところを何度か見かけた。

回答

はかせの答え

地上に出た幼虫でも、成虫でも、いちばんの天敵は鳥といえます。私もカラスがアブラゼミを捕まえるのを見たことがあります。
アブラゼミは鳥に気づいて飛んで逃げても、すぐ近くの木に止まるので捕食されやすく、クマゼミは飛ぶ距離が長いため、アブラゼミよりも捕食されにくいようです。

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