調査結果2015

セミにはアブラゼミやミンミンゼミ、ツクツクボウシなど、たくさん種類があります。金沢市では、どの種類のセミが多いでしょうか？？

市街地やその近くにすんでいるセミとして、アブラゼミ、ミンミンゼミ、クマゼミ、ニイニイゼミがあげられます。北陸では、このうちアブラゼミの数が80％以上で最も多く、今回の調査でもその特徴がよくあらわれています。次にミンミンゼミ、ニイニイゼミの順で多いですが、その2種を合わせても15％程度にしかなりません。
みんなのまわりには、アブラゼミがとっても多いということですね。

今回の調査では、どの場所でもアブラゼミの割合が最も多く、アブラゼミ以外の種類は15％～35％でした。セミは木のある所にすんでいるので、山林はもちろん、公園や神社、民家の庭でも広くて木の多い場所では種類も数も多くなります。
今回はいろいろな場所で調査が行われましたが、環境ごとの調査件数にばらつきがあるため、セミの割合にはっきりした特徴は認められませんでした。

木の多い場所ではセミの種類も多いので、今度の夏は、いろんなセミの鳴き声やぬけがらを探してみてください。

夏に出るセミはニイニイゼミが最も早く、6月下旬から7月下旬までに羽化し、アブラゼミは7月中旬から8月下旬まで、ミンミンゼミはアブラゼミより10日ほど遅れて羽化します。ツクツクボウシは8月に入ってから羽化し始めます。
したがって、見つかるぬけがらは、ニイニイゼミは7月までの早い時期に多く、8月はアブラゼミやミンミンゼミ、ツクツクボウシが多くなります。

鳴き声も、最初にニイニイゼミが聞こえてくることに気づきましたか？

どの種類のセミも、前半より後半の方がメスの数が増えていました。
これは昆虫全般にいえることですが、オスはメスよりも1週間ほど早く羽化して、メスが羽化するのを待ち、交尾する機会を高くするためです。

小学生の調査報告を原則そのまま使用しています。
区域の一部を調べた結果であり、その区域全体の統計を示すものではありません。

エゾゼミやチッチゼミは、数は少ないですが山林などでぬけがらを見つけたという報告がありました。
金沢市にも生息しているセミなので、鳴き声などをたよりに探してみてください。
また、「5月ころにハルゼミを見たよ」という報告もありました。
いろんなセミが生息する環境を守っていきたいですね。

南方系の大型のセミで、「シャア、シャア…」と鳴きます。
九州・四国・中国・近畿に多く見られますが、関東南部などにも生息が広がってきています。
金沢市内でも、30年ほど前から鳴き声が時々聞かれるようになり、県庁周辺では定着しているようです。
生息範囲が広がっている原因として、移植された樹木と一緒に運ばれてきたことや、温暖化の影響などが考えられます。
クマゼミがすみやすい環境になってきているとすれば、温暖化が進んでいるのかもしれません。

もともと日本にはいないセミで、国内で金沢市の一部にしかいません。
本来は、韓国や中国などの東アジアに生息しており、市街地を中心にたくさん見られます。
クマゼミの仲間ですが、鳴き声は日本のクマゼミとはまったく異なり、「ジャーー」という単調なもので、1匹が鳴き始めると周りのオスもそれに合わせ、大合唱になります。
そのほかにクマゼミとの区別として、翅の脈や腹弁のふちが赤っぽいのが特徴です。
外来種のセミなので、生息範囲が広がっていかないか見守る必要があります。