Pick Up 金沢聖霊病院聖堂

ピックアップ紹介

A マックス・ヒンデル Max Hindel

白い壁に三角の赤い屋根がある屋敷を上から写している写真

スイス人建築家の作品 
15年間日本に滞在し、各地で教会建築を手掛けたスイス人建築家マックス・ヒンデルによるもの。昭和6年竣工。来日前はオーストリアのウィーンやチロル地方で設計活動を行っていたため、本建築の鐘楼には尖塔型の屋根がかかるなど、チロル風の特徴が見られます。

B ステンドグラス Staned Glass

ステンドグラスのように色付けされたガラスがある半円形の窓が6つ並んでいる写真

まちに馴染んでいたのかも
木造平屋建て建築であるものの、高さを低く見せるために二層に分けたデザイン。側面の上層には円形窓を、下層には二対の円形アーチの滑り出し窓を、配置。どちらにもステンドグラスがはめられており、柔らかな印象を与えます。白い外壁に、隅角部の付柱や窓框を焦げ茶色に塗りメリハリをつけています。創建時は卵色の外壁だったらしく、当時は卵色と焦げ茶色の組み合わせが、長町の土塀の連なる風景に馴染んでいたのかもしれません。

C 三廊式バシリカ平面 Basilica

中央にランタンのような照明が天井から8個ほど吊り下げられている堂内の写真

堂内は三つの廊が並ぶ三廊式バシリカ平面
堂内は三つの廊が並ぶ三廊式バシリカ平面となっていて、左右の側廊が正面の主祭壇に続く身廊を挟み込んでいます。側廊上部には石造の形態を木造で再現した交差ヴォールトを見ることが出来ます。身廊上部には大壁造りとした横断アーチが緩やかに架かり、奥行きのある空間を繋ぎます。身廊部は現在半分が畳敷き、半分が椅子式となっていますが、創建時は全面畳敷きでした。

D 列柱 Colonnaded

天井や窓ガラスなどが全て半円形に形作られている室内の写真

金沢の伝統色使用
ヴォールトとアーチを受ける列柱は、ロマネスク様式特有のブロック型柱頭です。それを金沢の伝統工芸である黒漆塗りで仕上げています。施工当時は真っ白であった内壁も、昭和15年の壁面改修の際にアーチ部分を加賀群青と金色で縁取られ、西洋文化と金沢文化が混ざり合った空間となりました。正面のキリスト像の聖画横にはヤシの木が描かれていたこともありました。

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