おおかみを退治したこま犬 7
あくる朝のことや。
おじじは村の人たちとお寺を見に行ったんや。
「ゆんべの風はすごかった。」
「おいね、おおかみは吠えまくるし。」
「おそろしかったわいね。」
「ゆんべのさわぎがうそみたいやな」
木々の間からは朝日がもれ、庭を明るうしておった。
「お尚さん、おはようございます。」
「おお、これはこれは村の衆、おはようさん。」
「お尚さん、み、みよは。」
「安心するがよい。お孫さんは本堂でぐっすり眠っているよ。」
「あ、ありがとうございます。ありがとうございます。」
おじじは涙をうかべて喜んでな。