(県指定)東大寺領横江荘遺跡上荒屋遺跡出土品
有形文化財 美術工芸品:考古資料
東大寺領横江荘遺跡上荒屋遺跡出土品
とうだいじりょうよこえのしょういせきかみあらやいせきしゅつどひん
出土 | 東大寺領横江荘遺跡上荒屋遺跡 |
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所在地 | 金沢市上安原南60番地 金沢市埋蔵文化財センター |
県指定文化財 | 平成23年2月1日指定 |
員数 | 1,131点 |
東大寺領横江荘遺跡上荒屋遺跡は、金沢市西部にある奈良時代から平安時代にかけての荘園(しょうえん)遺跡です。
遺跡の時期は4期に分けることができ、地方の小規模荘園にはじまり東大寺(とうだいじ)が経営に参加する大規模荘園へと至る経緯を、考古学的に確認できることで注目されています。
木札に墨で文字等を書いた木簡(もっかん)は、運河(うんが)と推定される大溝から出土しました。荷札として使われた付札木簡(つけふだもっかん)には、運送された物資の名称が記されているものがあり、その多くが米でした。また、所在地の記載があるものや、条里制(じょうりせい)の施行に関連した資料、紀年銘(きねんめい)木簡(23号は天安元年=857年)など、学術上貴重な資料も多く含まれており、北陸における荘園経営の実態を探る上で貴重な資料となっています。
大量に出土した木製祭祀具(さいしぐ)は、水辺で穢(けが)れを払う儀式に使われたと考えられています。また、宗教遺物、馬具などの他に、須恵器(すえき)・土師器(はじき)・木製容器類といった日常生活に使われたものも見つかっており、荘園内の生活実態を明らかにするための貴重な資料となっています。
木簡や墨書土器を始めとした出土遺物のうち1,131点は平成23年2月1日に石川県指定文化財に指定されています。

墨書土器

木簡