(国指定)東大寺領横江荘遺跡
記念物 史跡:東大寺領横江荘遺跡(上荒屋遺跡)(とうだいじりょうよこえのしょういせき(かみあらやいせき))
- 【所在地】金沢市上荒屋7丁目73-1ほか
- 【国指定史跡】昭和47年3月14日指定/平成18年7月28日追加指定/平成28年10月3日追加指定
- 【指定面積】64,593.12平米
東大寺領横江荘遺跡(上荒屋遺跡)は金沢市の西部、安原川流域の沖積平野の微高地上に立地する縄文時代から中世までの複合遺跡です。昭和62年から平成3年にかけての発掘調査により、奈良時代から平安時代前期にかけての荘園の管理事務所である荘家(しょうか)や工房(こうぼう)、舟が行き来できる運河(うんが)や船着場(ふなつきば)などの遺構が見つかりました。
出土した墨書(ぼくしょ)土器には「田宮」「綾庄」「東庄」などの荘園名が見られ、小規模な墾田開発による初期段階から王臣および東大寺が経営する大規模荘園に移っていく変遷を考古学的に知ることができる、全国的にも貴重な荘園遺跡です。
運河跡から多数出土した「付札木簡(つけふだもっかん)」は、荘園に出入りした物資に付されていたと考えられ、物資の内容や輸送元・先などが記されています。運河跡には船着場状遺構が確認されており、近接して荘家跡も確認されていることから、近隣から運河を通って運ばれた物資が荘家周辺に集積されたと考えられています。
遺跡からは「東庄」と記された墨書土器が多数出土しており、白山市の国史跡東大寺領横江荘遺跡(荘家跡)と同様に、平安時代初期には東大寺が経営する横江荘の一部であったことが判明しています。
出土遺物は質・量ともに多く、奈良・平安時代における荘園の管理・運営の実態や、当時の信仰のあり方や生活実態までも知ることのできる重要な資料であることから、出土遺物1,131点が石川県指定文化財に指定されています。
現在、遺跡の中心部は荘家や運河の景観を立体的に再現した「上荒屋史跡公園」として整備され、市民の憩いの場として利用されています。
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アクセス
自家用車
北陸自動車道金沢西インターチェンジから5分
バス
兼六園下から北鉄バス上荒屋行きに乗車(30分)上荒屋西バス停下車徒歩5分