(国指定)辰巳用水附土清水塩硝蔵跡

記念物 史跡:辰巳用水(たつみようすい)附 土清水塩硝蔵跡(つけたりつっちょうずえんしょうぐらあと)

  • 【所在地】金沢市上辰巳町壱字112番3ほか(辰巳用水)
     金沢市大桑町カ218番1ほか(土清水塩硝蔵跡)
  • 【国指定史跡】平成22年2月22日指定 (平成25年3月27日追加指定)
  • 【指定面積】179,644.87平米 (指定延長約8.7キロメートル)

辰巳用水は、江戸時代はじめの寛永(かんえい)年間に、加賀藩が金沢城の水利を改善する目的で造営した、延長約11キロメートルにおよぶ用水です。
取水口は、犀川(さいがわ)上流の現上辰巳町(かみたつみまち)地内に設けられ、江戸時代後期に2度、上流部に付け替えられました。水路は、主に上流部が隧道(ずいどう・トンネル)、中・下流部が開渠(かいきょ)となっており、最下流部では現在の兼六園から百間堀(ひゃっけんぼり)で隔てられた金沢城へ導水するため木樋(のちに石管に改修)を埋設した、いわゆる「逆サイフォンの原理(伏せ越しの理)」を利用していました。
これまでの調査で、用水構築技術水準の高さが明らかになったほか、隧道に並行する開渠跡や、約260メートルもの長さで用水法面を保護する「三段石垣」などがみつかっています。
このように辰巳用水は、江戸時代の土木技術を知る上で貴重な文化財となっており、上流部、中流部を中心とした延長約8.7キロメートルが国史跡として指定されています。
土清水塩硝蔵跡は江戸時代に加賀藩が設立した黒色火薬製造施設で、現在の涌波町(わくなみまち)付近にありました。敷地面積は幕末時点で11万平米を超えると推定され、敷地の東側を流れる辰巳用水の水流が黒色火薬の製造に利用されました。
塩硝蔵には黒色火薬の原材料である塩硝(硝石)・硫黄・木炭が集められました。このうち塩硝は越中五箇山(ごかやま)で独自の製法によって生産され、硫黄は越中立山(たてやま)で採取・精製され、木炭は敷地内で生産されました。これらの材料は水車を回し、粉末にされた後、調合、水練りなどの工程を経て黒色火薬に加工されました。
平成19年度から同22年度まで行われた発掘調査で塩硝の貯蔵施設や火薬製造施設の痕跡が見つかり、辰巳用水との深い関連性が明らかになったことから、平成25年3月に敷地の一部約3万2千平米が国の史跡に追加指定されました。

全体が薄暗く、辰巳用水上流部の隧道の所々に照明が付いている写真

辰巳用水上流部の隧道

十字に掘削された土清水塩硝蔵の土蔵の基礎の所々に石がある写真

土清水塩硝蔵の土蔵の基礎

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