クマゼミ情報2010
大発見!クマゼミのぬけがら
今回の調査で「クマゼミの抜け殻をみつけた!」という連絡がいくつかの調査隊からありました。
その中で、調査本部が実際に確認できたところは2ヵ所です。
ひとつは鞍月の石川県庁前の植栽から。もうひとつは明成小学校の校庭です。
そのうち県庁前で見つかった抜け殻を預かってセミの専門の先生に見てもらいました。
先生からクマゼミについてたくさんお話を聞くことができたので、ご報告します。
クマゼミの特徴
クマゼミの体長は3.3センチメートル以上、体の幅は1.5センチメートル以上と、ほかのセミのぬけがらよりも一回り大きいです。
ぬけがらを裏返してみると、おなかの辺りにおへそのようなでっぱりがあります。
クマゼミがいるところ
石川県庁付近で鳴き声が聞こえます。クマゼミは住みついているのでしょうか??
クマゼミの鳴き声が鞍月にある県庁舎付近で初めて確認されたのは、ここに県庁舎が建設された次の年からです。それから毎年庁舎周辺で「シャアシャア」という大きな鳴き声が聞こえます。
県庁舎を新しく建てるときに、石川県以外の場所から多数の植樹用の木を運んできていますが、その木の根元の土中にクマゼミの幼虫がいたり、クマゼミが産卵してある枝があったりしたのではないかと思われます。
毎年鳴き声が聞こえること、そして今回ぬけがらが見つかったことから、クマゼミは金沢市鞍月周辺に住みついてきていると言えます。
石川県以外に、クマゼミはどこにいるのか??
北陸
- 福井県では昔からクマゼミが確認されています。しかし確認されていたのは福井県の敦賀市より西の地域だけで、それより東の地域では確認されませんでした。ところが最近では毎年産卵、幼虫生息が確認されている地位が福井市の南西部まで広がってきています。そして、同市の東部でもしばしば鳴き声が聞かれるようになっています。
- 富山県ではクマゼミが確認されたことはありません。
全国
関東地方の南部、東海地方、近畿地方、中国地方、四国、九州、沖縄といろいろな場所で確認されています。特に西日本の平地に多く、都市部でも普通に見ることができます。
クマゼミはもともと石川県には生息していない種類でした。
しかし、今回2つの場所でぬけがらが見つかったことにより、金沢で生まれたものだと確認されました。
なお、このぬけがらがクマゼミ幼虫と非常によく似たスジアカクマゼミ幼虫のものではないことも確認されています。
スジアカクマゼミも全国にいるのか??
スジアカクマゼミは日本では、石川県金沢市でしか確認されていません。
中でも、競馬場や柳瀬川つつみ公園の近くに多いようです。
もともと台湾、中国、韓国にいるセミだそうですが、なぜ金沢市にいるのかは明らかになっていません。