令和3年度第1回金沢市男女共同参画審議会
開催概要
日時 令和3年7月30日(金曜日)午後2時から午後3時30分
場所 金沢市役所第一本庁舎7階全員協議会室
出席者 委員13名、事務局
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資料
議題1.「新金沢市男女共同参画推進行動計画改訂版」の取り組みについて
資料1-1 令和2年度実績及び令和3年度取組内容(主要事業) (PDFファイル: 6.8MB)
資料1-2 令和2年度事業実施状況 令和3年度主要施策 (PDFファイル: 1.8MB)
資料2 金沢市女性センター事業 (PDFファイル: 137.2KB)
資料3-1 女性相談支援事業 (PDFファイル: 91.4KB)
資料3-2 令和2年度女性相談支援室の相談状況について (PDFファイル: 79.2KB)
議題2.金沢市男女共同参画推進条例第13条に基づく苦情の処理等について
資料4 令和2年度苦情の処理等について (PDFファイル: 155.2KB)
議題3. 次期金沢市男女共同参画推進行動計画の策定について
資料5 次期金沢市男女共同参画推進行動計画の策定について (PDFファイル: 79.8KB)
議事録
1.「新金沢市男女共同参画推進行動計画改定版」の取り組みについて
男性の家事育児等への参画をテーマとした講演会について
委員
施策番号1「男性の家事育児等への参画をテーマとした講演会」という記載がある。この記載に関して、子育てはママが中心で、料理などをパパがサポートする、という暗黙の役割分担が根底にあるように感じた。家事育児は性別関係なく取り組むものだと思われる。また、同性同士のカップルで育児をおこなう家族が存在する可能性が想定されていないように思う。このような観点から、この記載にはダイバシティーの視点が欠けていると思われるがどうか。
事務局
委員仰せのとおり、家事育児は性別関係なく取り組むものと考えている。「男女共同参画白書」においても、夫婦共働きが増えているにもかかわらず、6歳未満の子どもがいる共働き世帯では、家事・育児時間は妻が夫の約5倍というデータが示されており、妻に負担が集中している実態が浮き彫りになっていることから、男性の参画が必要だと記されている。
委員のご指摘を参考に、表現方法については工夫しながら、実態として妻に偏っている家事育児分担の解消を目指していく。
女性町会長について
委員
施策番号40 参考配付資料「町会長は…男?女?」に女性町会長割合の平成22 年度と令和2年度の比較データを掲載しており、若干増加しているが、中核市平均である6.8%を下回っていることから、こうした中核市とのデータを示して女性町会長就任を促すことも必要ではないか。また、女性町会長就任を促すため、表彰制度を設けるなど、校下単位で課題の認識を深める施策が必要ではないか。
事務局
ご指摘のとおり、リーフレットを作成する際は、市における経年変化だけでなく全国平均等との比較データも示してまいりたい。また、ご提案につきましては担当課に伝え、今後の施策の参考とさせていただく。
デートDV予防啓発について
委員
施策番号100 参考配付資料 デートDV予防啓発リーフレットは中学2年生の時に1回配布するだけか。高校生を対象とした取組はしているか。
委員
施策番号100 参考配付資料 デートDV予防啓発リーフレットについて、イラストは男女のカップルだが、文章は、「好きな人ができたら」など、同性愛の場合であっても排除せず、異性愛にも同性愛にも当てはまる文章表現であり、配慮されていてよいと思った。
事務局
本市においては、中学2年生にデートDV予防啓発リーフレットを配布するほか、市の公式YouTubeチャンネルにも、中学生を対象としたデートDV予防啓発の動画を掲載し、繰り返し視聴できるようにしている。市立工業高校においては、第2学年の授業の中でDV防止法について学習するほか、全学年対象の学習会や人権教育を通して理解を深めている。
石川県においても、県域すべての高校生にデートDV予防啓発パンフレットを配布するなど、定期的な周知啓発を行っている。
印刷物作成の手引きについて
委員
施策番号6 印刷物作成の手引き「男女共同参画の視点から~その表現、ちょっと 考えてみませんか~」について、イラストの男女の身長について、男性の方が高いのは男性優位を印象付けているのではないか、また、異性カップルしかでてこないこと、女性や子どもに黒髪がいないこと、すべての人物が同じ肌の色となっていることは不自然ではないか。男女の視点だけでなく、身体・障害の状況、性的指向や性自認、民族や肌の色などの多様性にも配慮した、ダイバーシティの視点からこの手引きをタイトルも含めてバージョンアップする必要があるのではないか。
事務局
「印刷物作成の手引き:男女共同参画の視点から」については、平成28年度に国のガイドラインに沿って制作したものである。ご指摘いただいた箇所のご意見については、参考にさせていただく。
男女共同参画出前講座について
委員
数値目標 基本目標1. 男女共同参画出前講座について、昨年度と比較して実施回数が減となっている理由は何か。
事務局
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、市のかがやき発信講座に合わせて、出前講座の受付を一時中断したことによるものである。なお、公民館や学校の育友会等団体の行事の自粛に伴い、受付再開後も申し込みが少なく、結果として年間の実施回数が減少している。
「いろいろちがってみんないい」のリーフレットについて
委員
施策番号125「いろいろちがってみんないい」のリーフレットについて、これはわかりやすく書いてあり、良いリーフレットだと思った。
女性相談、DV被害者相談について
委員
施策番号89,91,92 「女性相談」など相談全般について、LGBTや性的指向・性自認に関する相談は、これまで何件くらいあり、どの程度適切に対応できたか。また、女性相談の相談員全員に対して、LGBTや性的指向・性自認についての研修を行っているか。
「DV被害者相談」について、トランスジェンダーの被害者も支援対象となっているか。もし支援の対象とされていない場合は、適切な相談先としてどこを紹介しているか。また、「DV被害者緊急安全確保事業」について、男性被害、トランスジェンダーの被害者も支援対象となっているか。
事務局
件数については、性的指向・性自認による相談者の属性で統計をとっていないが、人権擁護委員による相談をはじめ、専門的な識見が必要となる場合には、民営の性的マイノリティのための電話相談窓口を紹介するなどの対応をしている。また、研修については、女性相談員が受講するDV関連研修の中で「LGBTの人権・基礎知識」について学んでいる。
「DV被害者相談」、「DV被害者緊急安全確保事業」については、男性被害者、トランスジェンダー被害者も支援対象となっている。
委員
資料3-2について、DV相談は20歳~40歳代の子育て世代が多いとの事だが、産院や母子手帳等子育て世代が目に触れやすい場所でのDV防止啓発の告知など取組状況を教えてほしい。
事務局
毎年、DV予防啓発リーフレット及び相談窓口カードを作成し、子育て世代が多く集まる子育て広場7カ所や福祉健康センター3カ所、市立図書館3カ所、城北児童館等に設置している。
また、毎年11月12日から25日までの「女性に対する暴力をなくす運動」週間には、DV防止啓発シンポジウムの開催や庁舎内におけるパープルリボンツリーの展示などでDVの防止について周知啓発している。
今後も、ホームページやSNSなどを活用して、広く市民にDV予防を周知・啓発していく。
女性活躍推進法一般事業主行動計画普及推進事業について
事務局
施策番号34 女性活躍推進法一般事業主行動計画普及推進事業について、令和元年度の審議会において、訪問した企業が行動計画を策定したかどうかの追跡調査を実施し、結果は次の審議会で報告すると発言したので、状況を報告する。
この事業は女性が活躍できる職場環境の整備を図るため、中小企業に社会保険労務士を派遣し、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の制度周知や策定に向けた助言等を実施するものである。
平成30年度は68社を訪問し、うち4社が行動計画を策定し、令和元年度は66社を訪問し、うち3社が行動計画を策定した。令和2年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため企業の訪問はせず、今年度は残り95社に対し、事前に訪問の意向調査を実施し、希望のあった6社を訪問して行動計画策定への働きかけをしていきたい。
委員
この事業は女性活躍推進という観点を事業所に普及させる活動だと思うので今後も継続していただきたい。
事務局
女性活躍推進法の改正があり、現在、中小企業は一般事業主行動計画の策定が努力義務となっているが、令和4年4月1日より義務となる。従って本事業は今年度が最終となる。
委員
先ほどの事務局からの説明の補足をさせていただく。現在、労働者が301人未満の中小企業は令和4年4月から一般事業主行動計画の策定が義務となる。
また、大企業では昨年6月から義務付けられているハラスメント防止対策について、同時期に中小企業に義務付けされる。労働局では改正女性活躍推進推進法の説明会を開催するので周知にご協力いただきたい。
子どもの自殺について
委員
今、コロナ禍で子どもの自殺が減らない。子どもが自らの命を絶たざるをえないという状況に追い込まれていることについても、私達は考えていかなければいけない。どういう事業で取り上げて欲しいという事は申し上げられないが、もう少し、子どもという視点から考えて欲しい。
事務局
子どもに対する支援は、女性に対する支援と合わせて行っていかなければならないと思っている。本市では児童家庭相談室を設置し、子どもソーシャルワーカーを現在4名配置しており、自ら助けを求めることができない子どものいる家庭に対し、保育所・学校・福祉健康センターなどから情報を得て、アウトリーチによる支援を行っている。このほか、どんな支援が考えられるか関係部局と連携して取り組んでいきたい。
委員
既にこういった制度があるとおっしゃるのはわかるが、それがどこまで周知されているのか、そこにどんな方がいて相談を受けてくれるのかがわからない。是非、民間団体と連携しながら、いろんな方法で子どもたちの命を守るということを金沢市にやっていただきたい。
防災担当部局の女性職員の配置について
委員
施策番号48 地域防災活動における女性の活躍の推進について、コミュニティ防災士の女性比率を30%から50%に向上するという取組は素晴らしいがこれを実質化していくためには、防災士の女性比率を上げるだけではなく、担当部局である危機管理課職員の男女比率にも配慮が必要である。全国的に防災部局において女性職員の配置が少ないという指摘が以前からある。大都市部では若干数値は上がっているが、地方では相変わらず数値が低い。女性の防災士が増加して、地域の課題等を把握し改善策を提案する中で、それを吸い上げて施策につなげる職員に女性がいるということが全体としての地域防災力をあげていくということにつながると考える。
事務局
委員ご指摘のとおり、本市も含め、全国的に防災部局については女性職員が少ない状況である。そのような部署に女性の視点が入るのは重要なことであると思っている。幅広い方々の視点が防災・減災に反映されるようにしたい。
3. 次期金沢市男女共同参画推進行動計画の策定について
委員
資料5について、男女共同参画推進行動計画の改定のための、従来の市民意識調査ではLGBT/性的指向・性自認に関する設問はほとんどなかったが、近年の動向やパートナーシップ宣誓制度の創設もふまえ、「男女共同参画」から「ダイバーシティ推進」へと枠組みを広げ、「配偶者」を「配偶者・パートナー」に修正するなど、この面の設問を充実させ、困難の解消と人権保護施策の強化推進につなげる必要があるのではないか。
事務局
次期金沢市男女共同参画推進行動計画と次期金沢市人権教育・啓発行動計画が同時期に最終年度を迎えるため、今年度は男女共同参画と人権問題に係る市民意識調査を実施する。LGBT/性的指向・性自認に関する設問は人権問題に係る市民意識調査の中で実施する予定である。