建築物省エネ法等の一部を改正する法律(令和4年法律第69号)

概要

2050年カーボンニュートラル、2030年度の温室効果ガス排出削減目標(2013年度比46%削)の実現に向け、建築物省エネ法を改正し、省エネルギー基準適合義務の対象外である住宅及び小規模建築物の基準適合を2025年度までに義務化するとともに、省エネルギー基準の段階的な水準の引上げ等が実施されます。

改正における主な変更点

◆令和5年4月施行予定

住宅トップランナー制度の拡充
対象を、一定戸数以上を販売する事業者の建売戸建住宅に加え、分譲マンションを追加する。

◆令和6年4月施行予定

□大規模な非住宅建築物の省エネ基準引上げ⇒詳しくはこちら
延べ面積2000m2以上の非住宅建築物を対象に、省エネ基準を引き上げる。
工場等 BEI 1.00以下⇒0.75以下
事務所等・学校等・ホテル等・百貨店等 BEI 1.00以下⇒0.8以下
病院等・飲食店等・集会所等 BEI 1.00以下⇒0.85以下

◆令和7年4月施行予定

省エネ基準適合対象の拡大
原則すべての建築物に拡大する。

適合性審査を不要とする建築物の限定
適合性審査は不要であるが、適合義務はあるため注意。
(1)建築確認の対象外の建築物
都市計画区域外の建築物(平屋かつ延べ面積200m2以下)
(2)建築基準法における審査・検査省略の対象である建築物
都市計画区域内の建築物(平屋かつ延べ面積200m2以下)で、建築士が設計・工事監理を行った建築物

省エネ適判手続きの省略
省エネ計算が比較的容易なものである場合は、省エネ適判を要さず、建築確認及び建築検査において、省エネ仕様基準への適合を確認する。
仕様基準が対象になると省令で定められる予定。

適合義務対象の建築物における手続き及び審査の要否について以下の表を参照してください。

  非住宅 住宅
すべて その他 仕様基準
延べ面積300m2以上 省エネ適判必要

省エネ適判不要(建築確認で審査)

※完了検査時に仕様基準も検査します。

延べ面積300m2未満
平屋かつ延べ面積200m2以下 省エネ審査不要(適合義務はある)

仕様基準を用いて計算できない住宅に関しては、従来通り省エネ計算を行い、省エネ適判審査を行う必要があります。

例:床暖房設備、コージェネレーション設備、ハイブリッド給湯器、太陽光発電、太陽熱・地中熱を利用する設備、空調設備(は区分)、その他の空調設備(床下エアコン、パッケージエアコン)など仕様基準にて評価できない設備。

□その他
・増改築を行う場合、増改築を行う部分のみを省エネ基準適合対象とする。⇒こちら
・届出義務(現行第19条)については、基準適合義務の拡大に伴い、廃止する。⇒こちら
・建築士は建築物の省エネ性能の一層の向上について建築主に説明する。⇒こちら
・建築主は省エネ性能の一層の向上を図るよう努める。⇒こちら

資料、リンク先