いしかわ歴史遺産
いしかわ歴史遺産とは
石川県内の各地域に点在する有形・無形の文化財を束ね、世代を超えて受け継がれている歴史、伝承、風習等、本県の魅力を伝えるストーリーを「いしかわ歴史遺産」として認定するとともに、全国に本県の魅力を発信していくことによって、観光誘客や地域活性化を図ることを目的としています。
金沢市内の「いしかわ歴史遺産」
三つの寺院群と茶屋街 ~歩く・観る・祈る~
認定日
平成28年1月20日
構成文化財
3つの寺院群
3つの茶屋街
にし茶屋街
文化財
いしかわ歴史遺産ストーリー
金沢の都市としての形態が整うのは、1583(天正11)年の前田利家の金沢城入城以降である。1599(慶長4)年から1610(慶長15)年にかけては内・外二重の惣構(堀)が築かれ、これに伴って計画的な城下町空間が伸張していった。武家屋敷地は、藩の重臣である「八家」の屋敷を城の膝元に置き、それを取り巻くように同心円状に形成されていった。城下中心部を南北に縦断する北国街道の沿道には有力商人の町家が配置された。寺院は防御のため城下三方の縁辺部に集められた。北国街道が浅野川と犀川を越える東西の渡り口(現在の浅野川大橋・犀川大橋)近く、すなわち卯辰山山麓寺院群と寺町寺院群の近くには、1820(文政3)年にそれぞれひがし茶屋街とにし茶屋街が設置され、明治に入って浅野川河畔に主計町茶屋街が成立した。幸いにも戦災を免れた金沢ではこうした都市構造が今に受け継がれている。寺院群や茶屋街をめぐる迷路のような路地や急な坂道には、城下町の空気がひっそりと漂っている。
きらめきに包まれるまち ~今に息づく金沢の金箔~
認定日
平成29年1月20日
構成文化財
「金城霊沢」、「金箔瓦」、「金沢の金箔製作用具」、「箔打ち機」、「縁付(金箔製造)」、「断切(金箔製造)」、「二俣和紙」、「加賀の手漉和紙の製作用具及び民家」、「金沢市立安江金箔工芸館」、「金沢卯辰山工芸工房」、「本願寺金沢別院」、「加賀とびはしご登り」、 「加賀まとい製作」、「金沢漆器」、「金沢仏壇」、「金箔製造販売関連施設」
いしかわ歴史遺産ストーリー
金沢の地名は、兼六園にある「金城霊沢」が、芋掘り藤五郎という青年が掘った山芋についた砂金を洗った泉であるとの伝説が由来といわれており、現在、日本の金箔のほぼ全てが、藩政期から受け継がれてきた伝統の技により金沢で製造されている。金沢の金箔は、日常生活の様々な場面で使用されており、人々の暮らしはきらめきに包まれている。
いしかわ歴史遺産の認定対象
いしかわ歴史遺産は、以下の点を踏まえたストーリーを認定するもので、文化財そのものを認定の対象とするものではありません。
- 歴史的経緯や、地域の風土に根ざし世代を超えて受け継がれている伝承、風習等を踏まえたストーリーであるもの。
- ストーリーの中核には、地域の魅力として発信する明確なテーマを設定の上、建造物や遺跡・名勝地、祭りなど、地域に根ざして継承・保存がなされている文化財にまつわるものが据えられているもの。
- 単に地域の歴史や文化財の価値を解説するだけのものになっていないもの。
- ストーリーは、次の2種類があります。
- 「地域型」:単一の市町内でストーリーが完結するもの。
- 「シリアル型(ネットワーク型)」:複数の市町にまたがってストーリーが展開し、各々の市町にストーリーの構成文化財が存在するもの。