建築基準法第51条ただし書き付議基準

金沢市建築基準法第51条ただし書き許可に伴う都市計画審議会付議基準の見直しについて

本市では、今後想定される廃棄物処理施設の増加に対応するため、建築基準法第51条ただし書きの規定に伴う都市計画審議会付議基準を見直しました。
平成24年1月4日より施行されます。

建築基準法第51条ただし書き許可とは?

都市計画区域内においては、下表の建築物は、都市計画においてその敷地の位置が決定しているものでなければ、建物を新築・増築することは出来ません。

都市計画において敷地の位置が決定していなければならない建築物
(イ) 卸売市場、火葬場又はと畜場、汚物処理場、ごみ焼却場、その他政令で定める処理施設
(ロ) 一般廃棄物処理施設で1日の処理能力が5トン以上のもの
(ハ) 廃棄物処理法施行令第7条第1号から第13号の2に規定する産業廃棄物処理施設(汚泥施設、廃プラ破砕施設、木くず・がれき破砕施設等)

ただし、(ロ)については市町村都市計画審議会、(ハ)について都道府県の都市計画審議会の議を経て、その位置が都市計画上支障がないとして許可された場合等は、これらの建築物を新築・増築することが出来る。
これを建築基準法51条ただし書き許可といいます。

都市計画審議会付議基準の見直しについて

本市では今後の廃棄物処理施設の重要性の高まりを想定し、都市計画との整合性を図るため、平成17年に市街化調整区域における都市計画審議会への付議基準を策定し、運用してきました。
近年の環境保護の観点や国による廃棄物の再生利用率の目標値設定により廃棄物処理施設への搬入量の増加や処理能力の拡大が求められており、今後ますます廃棄物処理施設計画件数の増加が想定されます。
そのようななかで、下記の3つの観点で現状の付議基準を見直し

  1. 従来より実効性を高めたものとする。
  2. 市街化区域においても、新たに基準を設ける。
  3. 騒音・振動・緑化などの環境面で具体的な数値基準を定める。

公平性、透明性を確保できる明確な基準を策定しました。

建築基準法第51条ただし書き許可に伴う都市計画審議会付議基準(概要)

本市で定める建築基準法第51条ただし書き許可に伴う都市計画審議会付議基準の概要は次のとおりです。
平成23年11月2日開催された第68回金沢市都市計画審議会(議案番号 第321号)にて審議、了承されました。

概要

1. 対象施設(次の各号のいずれかに該当する処理施設)の基準

  1. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第5条第1項に掲げるごみ処理施設
  2. 同令第7条第1号から第13号の2に掲げる産業廃棄物処理施設

2. 施設の位置の基準

  1. 市街化区域の場合
    • イ 工業地域又は工業専用地域であること。
    • ロ 住居系用途地域(注釈1)、学校(注釈2)、保育所及び病院から100メートル以上 離れていること
  2. 市街化調整区域の場合
    イ 集落(注釈3)、学校(注釈2)、保育所、老人ホーム等これらに類するもの及び病院から100メートル以上離れていること。

3. 道路の基準

  1. 市街化区域、市街化調整区域共通
    • イ 搬入、搬出口に接する道路は幅員8メートル以上確保されていること。
    • ロ 対象施設に処理物資等を搬入し、又は搬出する際に通行する道路沿道の生活環境や当該道路の交通に著しい影響を与えないこと。

4. 環境保全の基準

  1. 市街化区域の場合
    イ 敷地内の緑化に努めること。
  2. 市街化調整区域の場合
    • イ 最寄りの民家(注釈4)において騒音50dB以下、振動60dB以下をクリアすること。
    • ロ 敷地内の緑地率は20%以上確保すること。

5. 近隣説明の基準

  1. 市街化区域の場合
    イ 周辺環境に影響を与えるおそれがあると市長が判断した場合、市長が定める区域において、その区域の居住者、土地の所有者及び建築物の所有者に説明を行い、計画内容に十分理解が得られていること。
  2. 市街化調整区域の場合
    • イ 敷地境界線より直線距離で500メートル以内の居住者、土地の所有者及び建築物の所有者に説明を行い、計画内容に十分理解が得られていること。
    • ロ 他の法令、条例に基づき関係地域住民に対する周知又は説明会を行った場合で、イに定める区域すべて含まれている場合はこの限りではない。
    • ハ その他市長が定める区域において、その区域の居住者、土地の所有者及び建築物の所有者に説明を行い、計画内容に十分理解が得られていること。

6. その他

  1. 市街化区域、市街化調整区域共通
    • イ 公害防止対策を万全に行うこと。
    • ロ 他法令・条例等の許認可が得られること。

附則

  1. この基準は、平成24年1月4日から施行する。

各基準の解説

用語の意義

各項における用語の意義は次に定めるもののほか、建築基準法及び建築基準法施行令の例による。

用語の詳細
(注釈1)「住居系用途地域」 一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域
(注釈2)「学校」 学校教育法第1条の学校(小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、 大学、高等専門学校、特別支援学校および幼稚園)および同法にいう専修学校、各種学校。
(注釈3)「集落」 地形、地勢、地物等からみた自然的条件及び地域住民の社会生活に係る文教、交通、利便、コミュニティ、医療等の施設利用の一体性その他からみた社会的条件に照らし独立して一体的な日常生活圏を構成していると認められるもので、おおむね50戸の建築物が連たんしているもの。
(注釈4)「最寄りの民家」 新たに設ける処理施設の設置位置から水平距離で一番短い距離にある住宅。

1. 対象施設の基準

対象施設を明確化したものである。(建築基準法施行令第130条の2の2)

  • (1)について
    ゴミ処理施設の増築が建築基準法施行令第130条の2の3第1項第5号に掲げる範囲の処理能力であれば、この限りではない。
  • (2)について
    産業廃棄物処理施設の増築が建築基準法施行令第130条の2の3第1項第6号に掲げる範囲の処理能力であれば、この限りではない。

2. 施設の位置の基準

  • 施設の位置を明確化したものである。
  • (1)は市街化区域の場合
    工業系用途地域の中でも、準工業地域での建築を認めないということであり、住宅との混在や学校、保育所、病院との近接を避ける目的で定めたものである。住居系用途の地域、学校、保育所及び病院の敷地境界線から対象施設の敷地境界線までの距離が100メートル以上離れていなければならない。
  • (2)は市街化調整区域の場合
    集落(注釈3)は「金沢市開発審査会付議基準」により定義されているものであり、おおむね50戸以上の建築物が連単している地域である。
    集落、学校、保育所、老人ホーム等これらに類するもの及び病院の敷地境界線から対象施設の敷地境界線までの距離が100メートル以上離れていなければならない。

3. 道路の基準

  • 敷地への搬入路、搬出路について明確化したものである。
  • 市街化区域、市街化調整区域の共通事項
    施設には、大型車等による頻繁な搬入が予想されるため、搬入搬出口に接する道路幅員を8メートル以上と定めたものである。施設までの通行道路沿道に対しても、幅員8メートル以上望ましいが、周囲の状況等により交通安全上支障がない場合は、この限りではない。また、通行道路沿道環境に対して著しい影響等を与えないよう、そして当該道路の自動車交通の利便、歩行者・自転車の安全を確保するよう配慮しなければならない。

4. 環境保全の基準

  • 周辺への環境保全への取り組みを明確化したものである。
  • (1)は市街化区域の場合
    緑地率などの数値基準を設けてはいないが、周辺に与える影響を鑑み、できるだけ多く緑化面積を確保するよう努めなければならない。
  • (2)は市街化調整区域の場合
    周辺環境に与える影響を緩和するために基準を数値化したもので、最寄りの民家(注釈4)での測定値が、騒音50dB以下、振動60dB以下になるよう対策を講じなければならない。この数値基準は、騒音、振動各規制法、金沢市環境保全条例に基づく第1種区域(住居系の用途地域)での基準に準じており、市街化調整区域の周辺環境を考慮してのものである。
    緑地率とは、敷地面積に対しての緑地面積の割合をいう。周辺の自然環境との調和を図るため、20%以上と明確化したものであるが、敷地周辺の状況に併せ、数値基準以上を確保できるよう努めなければならない。

5. 近隣説明の基準

  • 周辺への説明についての基準を明確化したものである。
  • (1)は市街化区域の場合
    敷地の位置及び搬入、搬出経路等により周辺環境に与える影響が大きいと判断した場合は、市長が定める区域での説明を行うものとする。
  • (2)は市街化調整区域の場合
    敷地境界線より500メートル以内の居住者、土地及び建物の所有者に説明を行い理解を得るものとする。説明の方法については、あえて言及しないが、その方法と結果報告等を行なわなければならない。
    また、他の法令、条例等に基づいて説明会等を行った場合、その区域については新たに説明会を行う必要はないが、ア)に定める区域が網羅されていない区域がある場合は、別途説明会等を行うこと。
    さらに、敷地の位置及び搬入、搬出経路等により周辺に与える影響が大きいと判断した場合は、ア)に定める区域のほかに、市長が定める区域でも説明を行うものとする。

6. その他

市街化区域、市街化調整区域の共通事項
騒音振動のほか、悪臭・粉じん及び汚水などの公害に対する対策が講じられていなければならない。
関係法令、条例等に基づく許認可が得られるものでなければならない。

この記事に関するお問い合わせ先

都市計画課
郵便番号:920-8577
住所:金沢市広坂1丁目1番1号
電話番号:076-220-2351
ファックス番号:076-222-5119
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