用語解説
以下の解説は、内閣府男女共同参画局他の資料を参考に作成しています。
エンパワーメント(EMPOWERMENT)
力をつけること。女性が政治・経済・社会・家庭など社会のあらゆる分野で、自分で意志決定し、行動できる能力を身につけることが、男女共同参画社会の実現に重要であるという考えかた。
第4回世界女性会議(1995年北京開催)の主要課題
M字カーブ
我が国の女性の年齢階級別の労働力率(労働力人口/15歳以上の人口)は、出産・育児期に低下し、40歳代で再び高くなるM字カーブを描いている。これは、日本や韓国などに独特なもので、保育施設の進んでいる北欧諸国などではこういった出産・育児期の落ち込みはみられず、台形のカーブを描いている。
クォータ制(QUOTA)
(割り当て制):ポジティブ・アクションのうち、一定の数値枠を設定するもの。公的機関や公的委員会における任用・任命にあたって、一方の性に偏ることのないよう「40%ルール」を採用する例が、北欧諸国を中心に多くなっている。また、この制度の適用例として、選挙の候補者や党役員について一定枠の女性比率を確保する「政党のクォータ制」があげられる。
シェルター(SHELTER)
暴力などから逃れてきた女性のための一時避難所のこと。女性に対し、居住場所や食事などを提供し、様々な相談に応じるなど、女性に対する支援を行っている。
ジェンダー(GENDER)
「女らしさ」「男らしさ」、「女の役割」「男の役割」など、社会的・文化的に形成された性差のこと。生物学的な性別(sex)と区別して用いる。
ジェンダーバイアス(GENDER BIAS)
社会のあらゆる場面に存在する、ジェンダーにかかわる偏りをいう。社会の仕組みや人々の行動様式、意識など、さまざまなレベルにおいて、明示されたものであれ、暗黙のものであれ、性による区別や男女の非対称的な扱いがなされている。
セクシュアル・ハラスメント(SEXUAL HARASSMENT)
相手方の意に反した性的な性質の言動で、身体への不必要な接触、性的関係の強要、性的なうわさの流布、衆目に触れる場所へのわいせつな写真の提示など、様々な態様のものが含まれている。特に雇用の場においては、「職場(労働者が業務を遂行する場所)において行われる性的な言動に対する女性労働者の対応により、女性労働者がその労働条件につき不利益を受けること又は性的な言動により女性労働者の就業環境が害されること」とされている。
男女共同参画社会
男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会をいう(男女共同参画社会基本法第2条に定義)。
ドメスティック・バイオレンス(DOMESTIC VIOLENCE)
一般的には、「夫や恋人など親密な関係にある、又はあった男性から女性に対して振るわれる暴力」という意味で使用されることが多い。広義には女性や子ども、高齢者や障害者など家庭内の弱者への家庭内暴力をさす。身体的なものだけでなく、精神的なものまで含む概念として用いられる場合もあり、どのような意味で使用されるか注意が必要である。男女共同参画基本計画では「夫・パートナーからの暴力」として記述されている。
平成13年4月「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」が成立、同年10月13日施行されている。
メディア・リテラシー(MEDIA LITERACY)
メディアからの情報を主体的的に読み解き、自己発信する能力のこと。具体的には、メディア内容を視聴者や読者が無批判に受け入れるのではなく、主体的かつ客観的に解釈し、選択し、使いこなす能力のこと。また、メディアを使って表現する能力をも指す。
ポジティブ・アクション(POSITIVE ACTION)
(積極的格差是正措置):過去における社会的・構造的な差別によって、現在不利益をこうむっている集団(女性や人種的な少数弱者など)に対して、一定の範囲で特別な機会を提供すること等により、実質的な機会均等を実現することを目的とした、暫定的な措置。 男女共同参画社会基本法第2条第2項では、「積極的改善措置」として次のように定義している。「(男女共同参画に関し)男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。」
リーガル・リテラシー(LEGAL LITERACY)
(法識字):自分にはどんな権利があり、その権利を行使するために、どのように手続きすればよいかを理解する能力、つまり、そのための法律や関連制度の存在を知り、その知識を使いこなすことのできる能力のこと。
リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(REPRODUCTIVE HEALTH/RIGHTS)
(性と生殖に関する健康・権利の確立):いつ何人子どもを産む、産まない、を選ぶ自由、安全で満足のいく性関係、安全な妊娠・出産、子どもが健康に生まれ育つことなどが含まれている。また、これらに関連して、思春期や更年期における健康上の問題等生涯を通じた性と生殖に関する課題が広く議論されている。このようにライフサイクルを通じて個人、特に女性の健康の自己決定権を保障するもので、すべての人々の基本的人権として位置付ける理念である。
GDI(ジェンダー開発指数) Gender Development Index
人間開発の3つの基本的な側面である健康、知識、生活水準における女性と男性の格差を測定し、人間開発の成果におけるジェンダー・ギャップを表している。(2020年国連開発計画「人間開発報告書」による日本の順位 167ヵ国中55位)
GII(ジェンダー不平等指数)Gender Inequality Index
ジェンダー不平等指数(GII)は、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)、エンパワーメント、労働市場への参加の3つの側面における達成度の女性と男性の間の不平等を映し出す指標である。値は、0(女性と男性が完全に平等な場合)~1(すべての側面において、男女の一方が他方より不利な状況に置かれている場合)の間の数字で表される。(2020年国連開発計画「人間開発報告書」による日本の順位162ヵ国中24位)
GGI(ジェンダー・ギャップ指数)Gender Gap Index
経済、教育、保健、政治の分野毎に各使⽤データをウェイト付けしてジェンダー・ギャップ指数を算出している。
0が完全不平等、1が完全平等を表している。
(2021年世界経済フォーラム「Global Gender Gap Report 2021」による日本の順位156ヵ国中120位)