結核に係る定期の健康診断について
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症法)第53条の2に基づき、事業者、学校の長又は矯正施設、その他の施設の長は定期の結核健康診断を行うこととされています。
また、健康診断実施者は、定期の健康診断を行ったときは、健康診断を実施した場所を管轄する保健所長に報告しなければならないこととなっています(同法第53条の7)。結核のまん延の予防、早期発見・早期治療を目的として、健康診断を実施されましたらご報告をお願いいたします。
保健所への報告について
感染症法施行規則第27条の5に基づき、定期の健康診断の実施者は、結核に関する事項を一月ごとにとりまとめ、翌月10日までに以下の電子申請サービスからご報告ください。
実施義務者及び対象者
1.事業者(毎年度実施)
- 学校(専修学校及び各種学校を含み、修業年限が1年未満のもの、幼稚園を除く。)において業務に従事する者
- 病院、診療所、助産所、介護老人保健施設、社会福祉施設(社会福祉法第2条第2項第1号及び第3号から第6号までに規定する施設)において業務に従事する者
2.学校の長(入学した年度)
大学、高等学校、高等専門学校、専修学校又は各種学校(修業年限が1年未満のものを除く。)
の学生又は生徒
3.施設の長
- 刑事施設(拘置所・刑務所)に収容されている者(20歳に達する日の属する年度以降において毎年度)
- 社会福祉施設(社会福祉法第2条第2項第1号及び第3号から第6号までに規定する施設)に入所している者(65歳に達する日の属する年度以降において毎年度)
方法
胸部X線検査、喀痰検査、聴診、打診(労働安全衛生法や学校保健法、その他の法律により行われた健康診断の結果をもって、定期の結核健康診断をしたものとみなすことができます。)
結核予防補助金について
事業目的
感染症法第53条の2第1項及び第60条第1項に基づき、学校長・施設長が実施する定期の結核健康診断に要する費用の一部を補助し、結核予防の徹底を図る。
対象者
1.私立の大学、高等学校、高等専門学校、専修学校又は各種学校(修業年限が一年未満のものを除く。)
2.社会福祉法第2条第2項第1号及び第3号から第6号までに規定する施設
申請書類
案内
変更承認申請書 様式
実績報告書 様式
Q&A
Q1.派遣従業員の結核定期健康診断はどうしたらよいでしょうか?
A1.感染症法では、事業所で働く全員が結核定期健康診断の対象です。
労働安全衛生法では、派遣元に一般定期健康診断の実施義務と結果の保管義務がありますので、派遣先から派遣元に胸部X線検査の結果の記録を保存しなければならないことを説明のうえ、結果の提供を依頼するか、従業員本人に結果の提出を依頼してください(健診の必要性については、Q2、A2も参考にしてください。)。
Q2.結核定期健康診断は必ず受診しなければなりませんか。
A2.日本の結核は、罹患率及び患者数ともに年々減少しています。一方で、今なお年間に1万人以上の新規患者が発生している、日本の主要な感染症です。現在の結核定期健康診断の対象者は、発症すれば二次感染の可能性が高い集団に限られており、定期的な健診を行うことは、結核の予防、早期発見、早期治療、まん延防止のために必要と考えられます。
(参考)事業者が従業員への健診を実施せず、健診結果の記録をしなかった場合には、50万円以下の罰金の規定があり(労働安全衛生法第120条第1号、第122条)、従業員には健診を受ける義務があります。過去の判例(名古屋高判平9.7.25 愛知県教育委員会事件 労判729号80頁)で定期健診におけるX線検査を受検する職務上の義務があるとし、受診拒否を理由とする減給が有効とされたものがあります。
ただし、感染していても発症していなければ、その人が感染源になることはありません。2週間以上続く咳がある場合には、受診していただくのが望ましいです。
Q3.すでに提出したと思うのですが…
A3.学校や介護老人保健施設の「結核予防対策事業補助金」に関連する実施報告書と結核定期健康診断報告書とは異なります。健診の結果を結核定期健康診断報告書に記載し、ご報告ください。
Q4.健診以外で医療機関において実施した胸部X線検査を、結核定期健康診断の実施数とすることはできますか。
A4.感染症法第53条の4に基づき、胸部X線検査の結果が結核定期健康診断の実施者に対して文書で提出されている場合は、胸部X線検査を実施したものとしてご報告いただいてかまいません。実施者数へ計上し、備考にその旨をご記入ください。