令和6年度第1回金沢市男女共同参画審議会
開催概要
日時 令和6年7月29日(月曜日)午後2時から午後3時30分
場所 金沢市役所第一本庁舎7階全員協議会室
出席者 委員13名、事務局
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資料
報告1.金沢市男女共同参画推進行動計画~かなざわ未来 奏でプラン2023~の概要について
資料1 「金沢市男女共同参画推進行動計画」概要について (PDFファイル: 191.3KB)
報告2.「金沢市男女共同参画推進行動計画」の取り組みについて
資料2 令和5年度実績及び令和6年度取組(主要事業) (PDFファイル: 575.9KB)
資料3 令和5年度実績及び令和6年度取組 (PDFファイル: 674.3KB)
資料4 金沢市女性センター事業 (PDFファイル: 767.3KB)
資料5 女性相談支援事業 (PDFファイル: 108.3KB)
報告3.金沢市男女共同参画推進条例第13 条に基づく苦情の処理等についてて
資料6 令和5年度苦情の処理等について (PDFファイル: 98.0KB)
議事録
報告1「金沢市男女共同参画推進行動計画 ~かなざわ未来 奏でプラン2023~」の概要について
計画の期間について
委員
資料1の1頁、計画の期間について、以前にも質問があったようだが、10年期間は長いと思う。5年で実行するものなどの設定があっても良いのではないか。速やかな実行も必要である。また実行したものはもっと発表するなどして見せる化は重要と考える。
事務局
計画の期間は、10年間としているが、これまでも、国の基本計画の見直しに併せ、概ね5年程度で改定を行っている。
公表については、現在もホームページ等で施策や個別事業の実施状況を公表しているところだが、見せる化も重要であることから、今後は実施状況と成果指標、参考指標をあわせてわかりやすく公表するなど改善していく。
報告2「金沢市男女共同参画推進行動計画」の取り組みについて
令和5年度実績 方針1「方針の立案・決定過程への女性の参画の拡大」について
委員
資料2の1頁、方針1の成果指標、市の審議会等における女性委員の割合について、2012年27.4%から2021年29.2%、目標値40~60%とのことだが、どのような働きかけをしているのか。進まない理由はなにか。
また、金沢市として確実な実行のためにクォーター制の導入するなど、思い切ったチャレンジはしないのか。
事務局
委員の選任及び各団体に委員の推薦を依頼する際には、女性委員の積極的な登用に努めるよう、政策調整会議の場で各局長に伝えるととも、各課所へも周知している。
女性委員の割合が低い審議会等に対しては、その理由等を都度確認しているところである。審議会の委員は約6割が団体推薦となっており、各種団体において女性役員がいない、または少ない団体が多く、目標達成に至っていない。一方、担当課で選任できる、学識経験者、専門的知見者、公募委員においては、概ね5割(47.1%)が女性委員となっている。
このことから、現段階でのクオータ制の導入については、有効性が低いと考えており、まずは、各種団体の女性役員数を増やすため、啓発に取り組んでいるところである。
方針3「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)等の実現」について
委員
資料2の3頁、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進のうち、「男性の家事・育児と仕事の両立支援事業」について、育児休業に関する男性職員のインタビューは情報の共有という点で取得推進や意識の啓発に良い取り組みと思う。終了する意図は?細々とでも続けられたらどうか?
事務局
男性育児休業取得者のインタビューについては、「金沢市はたらくサイト」で男性の育児休業体験レポートを掲載していおり、情報共有による意識啓発は継続できると考えている。
当課の実施したインタビュー等は、その結果を他の事業にも活用していくことで育児休業取得の向上に繋げていくことを考えたものであり、今年度は、女性センターの男女共同参画支援セミナーにおいて、育児中や育児を控えた夫婦を対象に、当該事業を活用したワークショップの開催を予定している。
今後も必要に応じ、インタビューやアンケート等の実施を検討していく。
委員
同じく、仕事と生活の調和の推進のうち、「男性の育児・介護休業等の取得の促進」について、育児休業を取得した男性の方や企業に対して奨励金を交付しているが、どちらも交付件数1件と少ない。促進するような取組はどのようにされているか。
事務局
予算に対し決算を比較すると、件数は少なくなってしまった。原因は、企業の中で男性育休取得に関する理解やノウハウが広がっていないことがある。広報媒体を活用した普及、啓発を図りたい。
委員
PRの対象が大切である。取得したいと思っている人のところに情報が届いていることが大切だと思う。例えば、小学校でのチラシ配布などが、出産を控える人へのPRになるかもしれない。視点を変えたPRが必要ではないか。
事務局
小学校をとおしてのPRは、新しい視点だと思う。検討課題としたい。
委員
資料2の4頁、参考指標の「市の男性職員の育児休業取得率」について、市の男性職員の育児休業取得率が高くなって大変素晴らしいと思う。何日取ったら取得としているか?平均の取得日数(月数)がどれくらいか?
事務局
制度上、1日から取得可能であることから、1日でも取得すれば、取得者として扱っている。令和5年度に育児休業を取得した男性職員の平均取得日数は、79.8日となっている。最も多かった取得日数は、34日だった。
方針5「あらゆる暴力の根絶」について
委員
資料2の5頁、若い世代への啓発活動の充実のうち、「デートDV防止啓発冊子の配布」について、市内すべての中学2年生に配布するのは有意義だが、その際に各学校でどのような説明や助言がなされているか?
単に配るだけでは重要と思わず読まない生徒もいるのではないかと思われる。効果的に活用されデートDV防止につながるよう、各学校でこの冊子を生かした授業やホームルーム等を通じた啓発も生徒の理解・定着に必要と思われるが、実態はどうか?
事務局
活用方法については、各学校の判断によるが、当課からの配布依頼時には、本冊子が文部科学省通知「子どもや若者を性暴力の当事者にしないための「生命(いのち)の安全教育」の教材等について(令和3年4月16日)」にも関連する内容であることや、関連ホームページのリンクを紹介するなどして、子どもたちが性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないよう、授業等における積極的な活用を呼びかけている。
また、生徒対象に冊子を読んだ感想や理解度を問うアンケートを実施しており、令和5年度は4,112人に配布し約7割に当たる2,764人から回答をいただいており、理解できた(55%)、だいたい理解できた(43%)はあわせて98%となっており、全体で見ても約6割の生徒が理解できたとなっている。
方針8「 あらゆる人々に対する男女共同参画の理解促進」について
委員
資料2の8頁、方針8の成果指標、社会全体において男女の地位が「平等である」と感じる人の割合について、2012年より2021年が減少している理由はなぜか。問題を把握すべきと思う。また、目標値50%に向けての施策検討について教えてほしい。
事務局
男女の地位が「平等である」と感じる人の割合については、内閣府の世論調査においても、2012年の24.6%から2022年では14.7%と減少している。男女共同参画白書では、コロナ禍で非正規労働者を中心に雇用情勢が悪化する中、その影響が男性に比べ女性により重くのしかかっている実態が浮かび上がり日本のジェンダー不平等があらためて明らかになったとしており、本市においても同様と考えられる。
男女の地位が「平等である」と感じる人の割合が減少したことは、コロナ禍に起因する特殊要因もあると考えられるものの、正規雇用や管理職の割合など雇用の分野における男女差が存在し、方針立案・決定過程への女性の参画も進んでいないことから、目標値50%を達成するためには、企業におけるアンコンシャス・バイアスを解消するなど、女性活躍を推進するとともに、家事、育児、介護などの相互協力が重要であると考えており、男性育児休業取得の向上などにも取り組んでいくことで、目標を達成したいと考えている。
委員
意識調査で「平等」だと思う感じ方、意識はそれぞれなので、低いからと言って、状況が悪くなったということはない。「平等になったこと」を数値的に捉えられる指標があれば伺いたい。
事務局
指標は、国の指標を参考にしている。効果的な指標があれば、ご意見をいただきたい。
委員
女性の活躍を見据えれば、非正規から正規職員として働くことが重要である。企業として非正規から正規への転換制度をもつ促しが大切だと思う。企業として制度をもっているかは、指標になり得るかもしれない。
委員
昨日、妻を18年前に亡くされ男性がお一人でいる寺に掃除に行く機会があったが、18年間のモノが蓄積されていた。配偶者を失った男性は、うつ病や自殺のリスクが高くなっている。若い世代だけでなく、自分たちが思うように動いてくれない年齢層は一定数存在するので、中高年以上の層へのアピールができればよい。
事務局
男性の家庭への参画が重要だと思う。今計画で、新たに重点に加えており、男性全般に対し理解を促進したい。今年度、女性センターで中高年の男性向け料理セミナーなどを実施予定で、気軽に参加してほしいと考えている。
令和6年度取組 「女性活躍推進職場環境改革事業」について
委員
資料2の10頁、女性活躍推進職場環境改革事業について、新規計画は大変良いと思う。職場環境改革のための調査・評価業務について具体的に教えてほしい。
また、男性の意識改革は大変重要と思う。アンケートに女性は管理職になりたがらないといった項目が高い数字になっていたが、決してそうは思わない。男性の意識改革についてはどのように考えているか。
新規計画が、アンコンシャスバイアスの解消とともに、男女ともに良い働き方に資するものになることを期待する。
事務局
調査・評価業務については、職場におけるアンコンシャス・バイアス解消や男性を含む働き方、制度の見直しの実践をサポートする専門家を市内企業に派遣し、現状把握のためのアンケート調査や現場ヒアリングを経て、企業が抱えるそれぞれの課題を解決するための計画書を作成し、多様な人材が活躍できる職場環境の整備を行うものである。
また、「女性自身が管理職になることを希望しない」は事業所アンケートの結果で35.3%となっているものだが、市民意識調査では女性リーダーを増やすときの障害として「家事、育児、介護などにおける家庭内の相互の協力が十分でない」が、女性で49.6%、男性で44.3%、全体で47.1%と最も高い結果であり、男性においても、家事、育児等の相互協力が必要との認識はあるが、実態が伴っていない現状があることから、引き続き、家事、育児、介護などの相互協力が進むように取り組んで行く。
あわせて、次の障害として「長時間労働の改善が十分でない」があげられていることから、事業所に対する働き方改革についても取り組んでいるところである。
委員
「アンコンシャス・バイアス対策研修」は、中小企業を対象としているか。参加者18人が、どのくらいの規模の企業から参加されているか。育休に資するようならば、助成金などを活用してくれたら、いいと思った。
事務局
当日欠席もあり、18人の参加となった。参加企業は、中小企業が多かった。
「男性のための電話相談事業」について
委員
資料2の11頁、男性のための電話相談事業について、男性向けの電話相談は、中高年以上の層へ、どう働きかけるのか。広報手段など。
事務局
新聞広報、チラシ配布などをしている。
委員
男性の電話相談は、「男性のために男性相談員による男性の悩みに向き合う」と「男」が多いのがダイバーシティに欠けるのではないか。男性だからと言って、必ずしも男性に相談したいとは限らないと思うが、どのように考えているか。
事務局
男性向けに特化した理由は、男性は「男らしさ」にとらわれて、悩みを抱え込んで相談しにくい傾向があり、男性も相談しやすいようにと考えた。相談員については、いろいろな考えがあると思うが、男性の方が相談しやすいと考えている。
委員
可能であれば、男女を選べる希望制になればいいと思った。男性相談は、生物学的な男性のみか。
事務局
性自認が男性の方も相談可能である。男性相談のほかLGBT相談も実施している。相談員の男女の希望制については、今後の検討課題としたい。
委員
性自認が男性の方も相談できるのであれば、補足記載があればよりよいと思った。また、意識調査については、意識だけでなくパフォーマンスと比較する必要がある。
事務局
意識調査を行う際には、審議会でご意見をいただきたい。
「若年層等への教育・啓発の推進」について
委員
資料3の10頁、「DVに関する教材図書・ビデオ等の貸し出し」について、若年層等への教育・啓発の推進の一環として、DVに関する教材図書・ビデオ等の貸し出しを行われてきたが完了となっているのはなぜか?参考指標にある「DV防止啓発事業参加者数」と関連した事業ではないか?
事務局
約15年前に制作された古いDVDであり、金沢市公式YouTube等での動画配信やHPでのリーフレットなどで最新の情報を得られることから、完了とした。また「DV防止啓発事業参加者数」は、DV防止啓発シンポジウムの視聴者数を参考指標としており、関連した事業ではない。
「災害対策における男女共同参画の推進」について
委員
今年1/1の地震で被災された方々の能登での避難所等について、食事の準備等は自然と女性が担う形が多く見られた。金沢市において、役割分担等についての工夫はどうなっているか。
事務局
本市では、各地域に対して避難所運営等の意思決定の場や自主防災組織の役員に女性を登用するよう促すとともに、女性防災士の育成に力を入れているところであり、日頃から女性の意見を取り入れた防災活動を目指している。
また、能登半島地震において浮き彫りとなった災害対応における様々な課題を検証するため、5月20 日に第1回能登半島地震課題検証会議を開催したところであり、この会議の中で避難所運営についても議論していく。