広域行政について
1 広域行政とは
住民の生活圏が既成の市町村の区域を超え広域化しています。また、少子高齢化の進展や厳しい財政状況など、地方を取り巻く社会状況は大きく変わりつつあります。行政がこのような社会状況の変化に的確に対応し、住民サービスの維持・向上を図るには、広域的な視点から連携・調整することが必要です。広域的な連携・調整を進める方法として、複数の市町村が合体する市町村合併と、個々の市町村はそのままで関係市町村が連携・調整する広域行政があります。
2 金沢市における広域行政の例
(1)事務の委託(地方自治法第252条の14)
広域行政窓口サービス
住所がある市や町以外の窓口でも住民票の写し、戸籍証明書や印鑑登録証明書など6種類の証明書を受け取ることができるサービスを、近隣の市や町との相互委託によりおこなっています。
対象市町:金沢市、小松市、加賀市、かほく市、白山市、能美市、野々市市、川北町、津幡町、内灘町
(2)協議会の設置(地方自治法第252条の2)
犀川左岸下水道協議会
犀川流域において、石川県及び関係市町が施行する下水道事業を円滑かつ効率的に推進するために昭和62年に設置しました。下水道整備に関する広域的な総合計画を作成するとともに相互の連絡調整を図っています。
構成市町等:石川県、金沢市、白山市、野々市市
消防通信指令事務協議会
複雑多様化する消防需要を広域的に対応し、住民の期待と信頼にこたえることができる消防サービスの高度化を推進するため、消防通信指令施設において指令事務を共同して管理しています。
- 構成市町:金沢市、かほく市、津幡町、内灘町
- 業務内容:上記市町から119番通報すると、金沢市消防局内の消防指令センターにつながり、そこから各市町の消防署に指令が行きます。
(3)任意の協議会
河北潟水質浄化連絡協議会
河北潟の水質浄化を図るために、平成8年に流域の1市5町(現2市2町)で「河北潟流域生活排水対策推進計画」を策定しました。協議会ではこの計画を推進するために、4市町の連携・調整を図っています。
構成市町:金沢市、かほく市、津幡町、内灘町
金沢都市圏パーク・アンド・ライドシステム実施協議会
郊外にある商業施設等の指定する駐車場でマイカーからバスや電車に乗り換えて金沢市中心部に通勤する、パーク・アンド・ライド・システムを実施しています。
構成市町等:石川県、金沢市、白山市、野々市市、津幡町、内灘町
(4)行政協定
図書館の相互利用
協定を結んでいる市や町の住民が、相互に図書館を利用し図書を借りることができます。
対象市町:金沢市、かほく市、白山市、野々市市、津幡町、内灘町
管外保育
保護者のお仕事でお住まいの市や町の保育所へ通うことが難しいときに、他の市や町の保育所に入ることができます。
対象市町:金沢市、小松市、加賀市、かほく市、白山市、能美市、野々市市、津幡町、内灘町、宝達志水町、南砺市(平成25年4月現在)
3 金沢市と近隣の市町との結びつき
(1)通勤・通学の状況
石川中央都市圏(金沢市、白山市、かほく市、野々市市、津幡町、内灘町)において、金沢市と他市町の間を多くの住民が通勤・通学しています。
市町名 | 当該市町の住民で就業・通学する者 (A) |
(A)のうち、金沢市で従業・通学する者 (B) |
比率(%) (B/A) |
---|---|---|---|
内灘町 | 15,425 | 7,802 | 50.58 |
津幡町 | 21,152 | 9,363 | 44.27 |
野々市市 | 30,748 | 11,043 | 35.91 |
白山市 | 62,913 | 18,071 | 28.72 |
かほく市 | 19,210 | 5,414 | 28.18 |
計 | 149,448 | 51,693 | 34.59 |
市町名 | 当該市町で従業・通学する者 (C) |
(C)のうち、金沢市の住民 (D) |
比率(%) (D/C) |
---|---|---|---|
野々市市 | 27,407 | 8,202 | 29.93 |
白山市 | 58,894 | 12,568 | 21.34 |
内灘町 | 8,740 | 1,675 | 19.16 |
津幡町 | 12,489 | 1,922 | 15.39 |
かほく市 | 16,042 | 1,759 | 10.96 |
計 | 123,572 | 26,126 | 21.14 |
出典:平成22年度国勢調査 従業地・通学地による人口・産業等集計結果(石川県版)
- (A)、(B)、(C)、(D)は15歳以上の就業者・通学者
- 調査時点では「野々市町」でしたが、平成23年11月11日に市制施行しており「野々市市」と表記
(2)金沢外環状道路の整備
金沢市、白山市、野々市市を連結する大動脈として、交流を円滑にすることなどを目的に計画されました。
国道8号の金沢市今町との白山市乾町をつなぐ山側幹線(26キロメートル)と海側幹線(18キロメートル)からなる総延長45キロメートルの道路です。
山側幹線は平成18年4月に供用開始となり、海側幹線は現在、国、県、市、土地区画整理組合が分担して整備を進めています。
(3)金沢都市計画区域
都市計画とは、人口、産業等の都市集中に伴う無秩序な市街地の拡散を防止し、公共施設及び公共投資の効率化、農業の生産性の向上、良好な生活環境の整備等を図るため定めるものです。
昭和45年から金沢市、内灘町のそれぞれ一部と野々市町の全域を「金沢都市計画区域」として、一体的に市街化区域及び市街化調整区域に関する都市計画を定めています。