尾山神社東神門
おやまじんじゃ ひがししんもん
この神門は、金沢城二ノ丸御殿にあった唐門(唐門は形式の名称で、日本で生まれた格式高い建築様式)と伝えられています。明治3年(1870)頃、卯辰山にある招魂社の神門として移され、昭和38年(1963)に現在地に移築されました。
一部の細部様式に江戸時代後期の特徴が見られることから、この門は文化6年(1809)の二ノ丸御殿再建時に建立されたものと考えられています。
その一方で、文化5年(1808)の二ノ丸御殿の火災の際に、唐門に施された二匹の龍が水を呼び、この門だけが焼けずに残ったという伝説があります。
向き合う二匹の龍の精緻さと、加賀藩による造営の証とも言える蟇股に施された剣梅鉢の彫刻が見どころです。また、向唐門形式は市内では珍しく、往時の二ノ丸御殿の格式を今に伝えています。
(国)登録有形文化財
- 種別 建造物
- 登録 平成15年7月1日