松風閣(旧広坂御広式御対面所)附棟札

しょうふうかく(きゅう ひろさか おひろしき ごたいめんじょ)つけたり むなふだ

松風閣は、加賀藩前田家13代前田斉泰が、家臣の本多政和と輿入れする妹・寿々姫のため、天保5年(1834)に本多家上屋敷に建築した広坂御広式(御広式は藩政期に女性が居住した建物)の一部、御対面所(対面儀礼の際に用いられた施設)が残るものです。三度の移築を経て、明治40年(1907)より現在地に在ります。
市内に残る、唯一の加賀八家(加賀藩重臣の門閥)の屋敷地にある建物で、城下町金沢の歴史が連綿と現在に伝わることを実感させてくれる建物と言えます。
寿々姫については、輿入れから僅か7か月後に亡くなりました。その後広坂御広式は取り壊され、御対面所だけが天保14年(1843)に本多家上屋敷地内で移築されました。明治19年(1886)本多家上屋敷が陸軍省用地に移管された際には、上屋敷から中屋敷に移築され、更に明治40年(1907)の3度目の移築で現在地となりました。
明治期以降も本多家によって移築保存されてきたことは、藩主前田家と重臣本多家の関係性を如実に表すものと見て取れます。


金沢市指定文化財

  • 種別 有形文化財 建造物
  • 指定 平成31年4月1日

※民有地内につき一般非公開

松風閣の正面全景

正面全景

松風閣の建物東側

建物東側の縁側

建物とともに文化財指定されている棟札

建物とともに文化財指定されている棟札

建物内の豪華な彫刻欄間

豪華な彫刻欄間

松風閣の現在地と本多家上屋敷内における御対面所位置の変遷

松風閣の現在地と御対面所位置の変遷

旧城下町区域の文化財(多言語解説)

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