慈雲寺冨田家石廟群 附燈籠二基
じうんじとだけせきびょうぐん つけたりとうろう2き
Jiunji Temple Toda Family Stone Tombs with 2 Stone Lanterns
冨田重政(とだ しげまさ)は"名人越後"と称された剣豪で、加賀藩の剣術指南役として一万三千六百石もの禄高を有しました。石廟群は右から重政次男、重政、重政娘、重政孫娘の宝篋印塔(ほうきょういんとう)が祀られており、各没年から江戸時代前期の築造と考えられています。
石材は緑色凝灰岩(越前笏谷(しゃくだに)石)で、形式は切妻照り屋根造(きりつまてりやねづくり)です。内部に壁画が確認されますが、特筆すべきは重政石廟の貝殻胡粉を下地とした彩色で、国内で他に一例しか確認されていない、大変貴重なものです。
石廟という墓の形式は、野田山前田家墓所でも藩祖ゆかりの限られた被葬者のみに用いられ、前田家にとって冨田家が特別な家臣であったことを示しています。
金沢市指定文化財
- 種別:有形文化財 建造物
- 指定:平成26年4月11日

石廟群全景

重政石廟(右から2番目)

重政石廟内部に残る壁画1

重政石廟内部に残る壁画2

重政宝篋印塔

重政次男石廟(一番右)

重政娘石廟(右から3番目)

重政孫娘石廟(一番左)