妊娠
妊娠成立のしくみ
妊娠の成立は、精子と卵子が出会うところから始まります。
排卵はおおよそ1か月に1回で、そのタイミングで精子と出会うと受精卵になります。
受精卵は子宮へと移動して子宮内膜に着床し、妊娠が成立します。
この、妊娠のプロセスのどこかに障害があると妊娠しにくくなります。
- 排卵の2週間前から卵巣内では、卵胞刺激ホルモンの作用によって数個から20個程度の原始卵胞が成熟をはじめます。
そして、成熟した卵胞の中でいちばん生育の良いものが急速に成熟し、成熟卵となります。 - 成熟卵が卵胞から排出され卵子となり、卵管采に取り込まれます。(排卵)これらは、子宮の左右2つある卵巣から毎月交互に行われます。
卵子は、卵管内を繊毛に押し出されて進み、やがて卵管膨大部に到着します。
卵子は、12~24時間以内に受精しないと死んでしまいます。 - 膣内に射精された精子は、卵管膨大部で卵子と出会うため、子宮頸部を通過し子宮から卵管に移動します。
しかし、膣は酸性なので子宮頸部を通過する精子は約半数となります。子宮体部に達した精子は、左右の卵管に分かれて進み、目標の卵管膨大部にたどり着ける精子は1,000個程度と言われています。ここまで約2~4時間かかります。環境がよければ精子は72時間程度生存し卵子を待ちます。 - タイミングがよく卵子と精子が出会い、精子が一斉に卵子の卵膜を溶かし、1個の精子だけが膜中に入り受精卵となります。(受精)
- 卵子の核と精子の核が融合し、細胞分裂を繰り返しながら、子宮に移動し、子宮内膜に着床し、妊娠が成立します。受精から着床までは、約1週間です。
ご存じでしたか?
年齢と共に妊娠が成立する確率は低くなります。
女性は生まれた時には、約200万個の原始卵胞(卵子のもとになる細胞)を持っていますが、思春期には、30~50万個になり、35歳くらいになると約3万個になるといわれています。つまり加齢と共に卵子は減り続けるので妊娠する確率も低下していきます。
また、生まれた後で、新しく原始細胞をつくることはないので、卵子はその人の年齢と等しく年をとっていると言えます。いわゆる卵子の老化です。
そのため、卵子は加齢に伴い染色体異常などを起こしやすくなり、流産しやすくなります。