飛鳥・奈良・平安時代の遺跡
市内の遺跡-飛鳥(あすか)・奈良(なら)・平安(へいあん)時代
飛鳥時代には、律令(りつりょう)とよばれる法律がしだいに整備され、都を中心とした国の統治が行われるようになりました。奈良時代になると都の大寺院や貴族たちは、荘園(しょうえん)と呼ばれる私的な土地を地方にもち、その収入で豊かな生活を送っていました。国指定史跡の東大寺領横江荘遺跡上荒屋遺跡は、東大寺が持っていた荘園の管理施設跡です。
この時代の人々は、須恵器(すえき)や土師器(はじき)と呼ばれるやきものや、木製の椀(わん)などを食器として使用していました。食器には墨(すみ)などで文字が書かれていることがあります。また、木の板に墨で文字をが書いたものを木簡といいます。荷札や、まじないの板が見つかっています。
奈良時代には、仏教が地方に広まってきました。金沢21世紀美術館の地下でみつかった広坂遺跡では、瓦(かわら)が大量に出土しました。「寺」と刻字された瓦や、「佛」と刻字された土器が出土していることから、寺院があったと考えられます。三小牛(みつこうじ)ハバ遺跡は、僧侶(そうりょ)が山中で修行するための寺跡で、「三千寺」の墨書(ぼくしょ)が残る須恵器や、仏教関係の遺物が数多く発見されています。なお、三小牛ハバ遺跡の出土品は金沢市指定文化財に指定されています。
上荒屋遺跡・復元「庄家」「運河」
上荒屋遺跡・墨書土器
広坂遺跡・奈良時代の瓦
広坂遺跡・全景