春日懐紙 草花他四首

有形文化財 美術工芸品:書跡
春日懐紙 草花他四首(かすがかいし そうかほかよんしゅ)

春日懐紙 草花他四首の詳細
所在地 金沢市本多町3丁目2番29号 金沢市立中村記念美術館
市指定文化財 令和5年3月22日指定
 春日懐紙は、鎌倉時代の13世紀前半、春日社、興福寺、東大寺など奈良の社寺の神官、僧侶らが開いた歌会うたかいの懐紙である。その懐紙の紙背を使い春日若宮の神主なかとみのすけさだ(1198~1269)が寛元元年(1243)から同2年にかけて万葉集を書写し冊子本としたのが『春日本万葉集』である。

この五首和歌は、『春日本万葉集』の筆者・中臣祐定の次男(すけ)(あり)の筆で、同じ五首の題(草花・雁・鹿・虫・月)を詠んだ泰俊法師の和歌懐紙に「仁治第二暦仲秋南呂天陪/柿本故廟同詠五首和謌」とあることから、仁治二年(1241)仲秋、歌聖柿本人麻呂法楽歌会の折に詠まれたものとわかる。

春日懐紙は『春日本万葉集』の筆者中臣祐定とその一族のものが貴重視されるが、この懐紙は祐定の次男祐有の作であり、祐有は春日懐紙の筆者の中でも書風が優れている。また、春日懐紙の中でも制作年が判明する数少ない作であり、現存する春日懐紙の中でも良い条件を備える優品である。
春日懐紙 草花他四首

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